カタルシス
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2004年01月21日(水) |
けものがれ、俺らの猿と |
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前々から気になっていた『ジェヴォーダンの獣』をやっと観ることができた
ルイ15世が統治していた18世紀のフランス 南部にあるジェヴォーダン地方で実際に起こった迷宮入りの怪事件を元に 一つの仮説を謎の真相として描いた物語
フランス産のフランス映画なんで 当たり前だがセリフは全てフランス語 そうそう やっぱ そうでなくちゃね! 『ジャンヌ・ダルク』にも出演していた仏人俳優のヴァンサン・カッセル氏 今度はちゃんと仏語で演じてらっしゃいます(笑)
って 見ながら思ったけど 『洪煕官』(香港) 『ジャンヌ・ダルク』(アメリカ) 『ジェヴォーダンの獣』(フランス) 『ゴーメン・ガースト』(イギリス) 私のセレクションも どうしてなかなかワールドワイドじゃんね え そんなことどうでもいい? そうね 確かに
今回のお目当てはネイティブアメリカンのマニを演じるマーク・ダカスコス 今までに『SPY_N』と『ブラック・ダイヤモンド』で彼を観ているのだけれど マーシャルアーツの達人で アジア系にしては顔立ちのハッキリした二枚目俳優さん
先述の2作ではどちらも敵役で最後には負けてしまうんだけど カッコイイから印象に残ってる訳よ 特に『SPY_N』ではアーロン・クォクよりもワン・リーホンよりも断然男ぶりが良かったし 藤原紀香と並んで一番絵になるのは彼だった 『ブラック・ダイヤモンド』の方は 演じた役柄があんまりカッコ良くないキャラクターだったから ちょっと勿体無い感じで(苦笑)
悪でもカッコイイ悪役っているじゃない そんで悪役が強くてカッコイイと ヒーローのカッコ良さも一層際立つみたいな シャアがいるからアムロが良くなるのと同じようなもんよね(何の例えだ)
要するに片方だけがカッコイイのは かえってカッコ良くないってこと
この『ジェヴォーダン〜』も同じ 敵に回る存在がイマイチカッコ良くなくてね〜… マニがあんなにカッコイイのに勿体ねーなーと
マニは 物語の主人公?であるフロンサックって自然科学者の従者で 新大陸(アメリカ)制圧の際滅ぼされた部族の生き残り フロンサックとは戦場で出会い その命を助けたことから義兄弟の契りを結んだ関係
フロンサックは時の王ルイ15世の命により 世間を騒がす“ジェヴォーダンの獣”の正体を突き止めるためにパリから派遣されてきた人物で観察眼・洞察力に長けている 自然科学者であり 啓蒙家でもあり 医者で戦士 道楽で描くスケッチなども見事な腕前である 冒険心と遊び心を忘れない ちょっぴり皮肉家で口が達者な社交的パリジャンだ
一方のマニは異邦の民である所為か フランス語を使うものの口数は極端に少なく 自然や動物たちの声に耳を傾け心を通わせる不思議な能力を持っている そしてお約束の通り超人的な強さを誇る部族の戦士である
こんな真逆に近い2人なのに お互いに信頼し合い つかず離れずの距離を保って行動しているのが ちょっとカッコイイ
敢えてツッこむなら ダガスコスの技はカンフーに近い型のマーシャルアーツなので ネイティブアメリカンの戦い方じゃねーだろそれ って感じなんだけれども
カッコイイから許す!
身体も綺麗に鍛えられているし姿勢も美しい そんでもってアジア人らしからぬプロポーションの彼 調べてみたらスペイン・中国・フィリピン・アイルランド・日本の血を受け継いでいるんだそうだ(すげぇ…) 混血はカッコイイ率高いねぇ…
『ジャンヌ・ダルク』ではちょっぴり素行の悪い 戦争好きの貴族を演じていたヴァンサン・カッセルも 今回の役は隻手のアンニュイな貴族様 ジャン=フランソワという名の彼は 元来勇を好む性格で片腕でも狩猟を嗜むという硬骨さを持っている 妹のマリアンヌを可愛がっていて 彼女にモーションをかけるフロンサックが気に入らないのか 常に皮肉めいた態度で臨む食えない人物だ
あとはこの物語のストーリーテラーである領主のトーマスが 主要なメンバーといったところ
あの なんだ これ以上書いちゃうと多分ネタバレしちゃうんで 書かないどこうと思うんだけど 結構先を読むのが容易な展開だったとは言っておこうかな(苦笑)
それでも私の目的はマーク・ダカスコスだったから それなりに楽しんで観れたけどね 正直言えばもっと彼のアクションが見たかったなと
それから最後に肉弾戦で大奮闘するフロンサック そんなに強いなら初めから戦えよ!(苦笑)とかは思ったりしてた 途中までは「勇敢だけど弱っちい人」って思ってたもん(笑)
まぁ このくらいのネタはバラしても許されるよね?(^^;)ゞ
『けものがれ、俺らの猿と/Getting wild with our monkey』2001年/日本
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