カタルシス
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2003年12月03日(水)  紳士同盟 

『モーリス』を鑑賞

何年か前… いやもう10年は経つのかな?(^^;)ゞ 「映像が綺麗」だと人に勧められたのがきっかけでタラっと見たことが一度あったハズなんだけど 細かいところなんか見事に何も覚えてなかったねー よっぽど適当に見てたんだね前回は

それでもヒュー・グラントの印象は 長らくこの頃のイメージを持っていた私としては 画面に映し出された若き日のヒュー氏にとてつもない懐かしさを覚えてしまって
「そーそー!ヒュー・グラントってこうだった!!」
なんて間違ったところに感慨を受けていたりして

最近持ち直してきたけど 一時期彼スゴイ老け込んだじゃん? シワとかシワとかシワとか…(黙)『アバウト・ア・ボーイ』でちょっとカッコ良さが復活してきたかな?って感じで見てたんよ

「映像が綺麗」ってよりは イギリスの町並みや庭園 時代を象徴する人々の服装が そりゃもう綺麗で 女性よりも男性のファッションにときめいた そしてヒュー氏は中でもひときわ美しかったス

その綺麗なヒュー様演じるクライヴは 主人公モーリス(多分大学の後輩にあたるんだと思う)と友好を深めるうちに友情と愛情を混濁し始めて ある日彼に告白しちゃう モーリスの方は突然のことに驚く風なんだけど 見ていてどっちかってーと彼の方が誘惑めいた行動をしてた気がしたのは私の勘違い な・の・か? でも多分ここで告られてなければそっちの世界に目覚めないで済んだろうなっつー感じは解った

紆余曲折の後 彼らのプラトニックな関係が始まり それはお互いが大学を出たあとも続いていくわけだけど 二人の共通の友人が同性愛の罪で逮捕され有罪になる事件が起こってクライヴはビビりまくり モーリスから逃げ出して女性と結婚しちゃうのさ その後のクライヴの人生は順調で「良かったね〜」って感じなんだけれども 残されたモーリスの方はもうガタガタで(苦笑) 自分が女性に興味が湧かないのは病気なんじゃないか?とかさんざん悩みまくる 身分のある身だから表沙汰にする訳にはいかないし 八方塞りで悶々としてる中 次の出会いが来てしまうと

落ち着いて考えたら いや考えなくてもクライヴひどいよねぇ
勝手に告ってその道に引き込んで 舞い上がらせといて いざとなったら自分だけ安全地帯に身を寄せちゃうんだぜ
そんなん同性じゃなくても途方にくれちゃうよ 同性だから尚性質が悪いんだけどさ

んでクライヴの嫁さんってのがよくできた女性なんだけど 見目があまり良ろしくない! 彼女自身が不細工ってんじゃないと思うけど周りが綺麗過ぎて見劣りがしちゃう 更には相手が絶頂期のヒュー様(笑)だからね! 如何せん分が悪かった

物語は原作者 E.M.フォースターの自伝的内容らしい 個人的には結末がハッキリしなくて「…はい?」って感じ これハッピーエンドなのかバッドエンドなのか 判断つきかねるよ(困笑)
どっちにしても1900年代初頭のイギリスでは同性愛は排除の対象だったから 当時この小説は発表できなかったそうだ  そりゃそうだ

解釈が難しい幕の閉じ方をした割に そんな嫌いな作品じゃなかった 生々しいシーンもなく映像美には徹底されたものを感じたし(まったく画像修正してないのはちょっと驚いたけど/苦笑)

劇中面白いなと思ったセリフが一つ
精神科の診察を受けても成果が見られず嘆くモーリスに医者は「フランスかイタリア(同性愛が罪に問われない国)に行きなさい」と言う 「イギリスではダメなんですか」と問うイギリス紳士のモーリスに返った応えは


ここは昔から人間の本質を認めようとしない国だ


だって 何だか皮肉な響きだねぇ

『紳士同盟』1986年/日本


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