カタルシス
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2002年06月01日(土)  全ては業の中にあり 

世の中では今日からW杯開催と もてはやされ、浮かれた気分が街のそこここでうかがえるような、そんな晴れた午前中のこと。
私の頭にあったサッカーはW杯ではなく、本日公開の映画『少林サッカー』。
もともと香港映画大好き人間の上、この作品は役者としても監督としても喜劇の申し子と言われている周星馳(チャウ・シンチー)の手による物。W杯に合わせたネタで攻めた狙いが当たり、公開前から随分と一般に告知・認知されて大注目株になっているこの映画は、これまでジャッキー・チェン以外の作品で滅多に日の目を見ていない香港映画界に久方ぶりの脚光を浴びせていた。

今日は夕方からハリマオ(BAMBIのサンダーさんが参加しているバンド)のライブがあったのだが、そのライブに同行する人がこの映画にやたらと興味津々な様子だったので、それなら映画を観てからライブに行こうか。という話になった。もう一人の同行者にはギリギリになってのお伺いとなってしまったが、快い返事が返ってきたので3人で午前中から行動を開始することにした。

この時私の手元には『少林サッカー』の劇場鑑賞券が2枚。

思い起こすこと2週間前の日曜日。いつも聞いているラジオ番組でパーソナリティが個人的におススメする映画情報!みたいなものをやっていて、一人のパーソナリティが『少林サッカー』を挙げた。同年代の女の子パーソナリティだったのだが、あまりの熱弁ぶりにウケてしまい、その感想をリアルタイムでメール送信した。すると、その後映画のチケットプレゼントがあると言い始めたので、内容を聞いていたらハガキかネットで受付とのこと。だったらネットで… と思ったものの、応募フォームが見あたらない。仕方ないので先ほど感想を送ったアドレスに宛てて応募の旨を伝え、「この宛先で受け付けていなかったらお手数ですが返信下さい」と添えておいた。すると、程なくして番組から返信があり、「受け付けました」。一段落済ませたその後は しばらく応募の事など忘れてしまっていた。

翌週の半ば頃、帰宅するとポストにラジオ局の封筒が入っていた。その段階では「また母が私の名前で何か応募したのかな?」と他人事のように思っていたのだが、差出人の部分に番組名が手書きされているのを見て、あ!と思い出す。

そういや私も応募してたじゃん。

慌てて封を切ると中から2枚の映画チケットが はらり。燦然と輝くのは『少林サッカー』の文字。誰もいない家に響かんばかりの奇声をあげて喜んでしまった。
「おぁー! すごいじゃん私!!」

プレゼント応募の類は時々気まぐれに出したりするが、当たった試しがない。その点でいくと母の血は薄いのかも知れない。ただ、思わぬところで運が巡ってくることが極たまにあって 普段良い目にあまり遭っていない分そういう時の感激は並々ならないものがある。今回のはまさにそれだった。
別に大した金額のものでもないし、当たらなくても映画は観に行くつもりだったから 大げさに喜ぶのを変に思う人があっても仕方がないと思う。でも、これは「当たった」ことに対するものであって、ぶっちゃけた話モノは何でも良いのだ。自分の「運」を囃し立てているに過ぎない。ささやかな幸せを謳歌しているだけのこと。
ちょっとばかり大げさに。(笑)

ペアチケットが当たったのだから、普通ならば一緒に行く相手を考えるものだが 今回の私は迷うことなく「2回行ける!」と即座に思った。ある意味かなり涸れた発想だが、そんなこと本人は考えてもいない。大好きな香港映画をミニシアターではない一般の規模の映画館で見られるのだ。しかも監督・主演が周星馳!あらぬ興奮が身を襲う。

美味し過ぎる!! p(≧▽≦)q


…さて、今日に話を戻しましょうか。
言い出しっぺの私、まんまと予定の電車に乗り遅れて上映時刻ギリギリになりそうだったので、他の2人に先に行ってくれるように連絡をした。駅から走って会場に向かう途中に「チケットは買っておいたよ」とメールが届く。
…あれ?
そういえば、自分がチケットを持っていることを言っていなかった。これは失敗したな… まぁ、遅刻は自分のミスだし仕方がない。と、会場で合流した友人からチケットを受け取って当日券で入場した。
財布に非売品の当選チケットを しのばせたまま。

映画は面白かった。同行の友人にもウケが良く、ホッと胸をなで下ろす。と、いうのも香港映画にはムラがあってストーリーがヘッポコなものが結構多い。無論よく練られた物語もあるのだが、今回のはいわゆる「バカ映画」だから、ハチャメチャで終わってしまうのではないかとの危惧が私にはうっすらとあった。
私自身はそんなバカさ加減ごと愛しているのだが、一般には引かれてしまうことが多く だからこその現状だ… そう考えると『少林サッカー』は一般的な域を逸脱せずに普通に笑える作品だった。星馳の作品にしてみたらアクがない気がしたけれど、そのくらいが丁度良いのかも知れない…(苦笑)

映画館を出てお昼にカレーを食べてから、ライブハウスのある高円寺に向かう。前売りが買いたかったので出番の少し前に着くように行ったら案の定メンバーが外でくつろいでいた。サンダーさんを見つけて前売り3枚を購入。彼の隣にはYさんが腰を降ろしていて、手を振ってくれた。BBSでの知り合いで来ているのは彼女だけ かな?
2人のいる辺りの道路を挟んで向かい側に、3人で腰を降ろして映画のパンフレットを囲み盛り上がっていたらサンダーさんから「観てきたの?」と声をかけられた。3人してニンマリ♪
どうだったのかとしきりに尋ねて来るので「観たいの?」と聞くと「観に行きたい」との答え。
ふと、財布の中のチケットを思い出して「行くならチケットあげましょうか」と言ったら、目を輝かせて「マジ?!」と乗り気な様子なので、この目には勝てないわ… と、チケットを差し出してしまった。
「わー、行くよ 絶対行く。明日行く!」にゃはは、年上だけど可愛い人だな。こういうのにめっぽう弱いので顔がニヤけた。家にまだ一枚残っているし、喜んでくれているみたいだったから まぁ、良いや、これもきっとこうなる運命だったんだ。
えい! 得な性分だなミツアキさん(笑)

ハリマオのライブは今回で2回目。初めてみたのは今年の2月で場所はやっぱり高円寺。何というか、勢いのすごさが印象に強いバンドだった。ボーカルの夢立さんのテンションが特に(笑) 音楽的に好みかと聞かれると返答に困る系統だが、生のステージを見るのは楽しかった。これは素直に感じた。
「ライブバンドだなぁ〜」と思ったので買って帰ったCDもしばらく聞かないで置いていたのだが、何かの時にコンポにかけたらライブとは違った感じで「あれ?」と思った。何か結構聴けるぞー? 嫌いじゃないな、みたいな。ライブで聞いて気になった『あつさのせぇ』って曲はそのCDに入っていなかったので、今日もまた歌ってくれないかな〜と期待しながらステージを見ていた。

うひひ、歌ってくれたよ『あつさのせぇ』♪ これ好きかも。でも、初めて聞いた時よりテンションが壊れていなくて、印象がちょっと違った。メンバーや身内の人達が言うには「まとまっていて今までの中では一番良かった」との評だったみたいだけれど、近くでその会話を聞いていたら自分の音楽センスに自信がなくなってきた。私は前回の方が好きだったな。って思っていたから…(--;)ゞ 感想聞かれたけど、うまく答えられなかった。うーん、ごめん 音楽オンチなのかも。(吐血)

その後、サンダーさんや夢立さんやグルタミンの豪さん・工藤さんと話をさせてもらって、みんな色々考えながら音楽やってるんだなぁ と感心しつつ、理想と現実の軸ズレや世の中のシビアさを改めて痛感してしまう。彼らの言っていることの全てが我が身に置き換えられて、身につむ思いだったし かなり痛かった。聞いていて「痛たたたた…」と内心悲鳴をあげ続けていた。
帰りの車中は 荒行を済ませて帰ってきた修行僧のような気分。(荒行したことないし修行僧でもないんだけど)

ああ、今年の夏も暑くなりそうだ…


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