2019年10月27日 京都文化博物館でP.A.WORKS社長・堀川憲司さんのトークイベントが行われました。
アニメの制作会社は東京一極集中。地方に本社がある会社は、有名どころでは、京アニとP.A.WORKSくらい。 堀川社長が、20年前に創業した当初の苦労や、地方を舞台にしたアニメを作る意義などを語ってくださいました。
お忙しい堀川社長、「SHIROBAKO劇場版、どうなってますか?」と聞かれて「万策尽きそうで…」と作中の本田デスクのセリフで回答。 3時にトーク終了後、4時の新幹線で戻って最終シーンのアフレコに立ち会うそうです。 「やっと終わり…って思ったら、水島努監督のツイッターで『コンテあと4分』って文字を見てしまって青ざめてます」
「SHIROBAKOを作ったのは、制作進行から見た『クリエイターの喜び』を描きたかった。アニメ製作はネットで暗い話ばかり出るから。けれど本当にそうなのか? 大変なことばかりなのか? 作品を通じて考えてみたかった」とのこと。
社長が「アニメ制作のアニメをやりたい」って、水島監督に電車の中で話したとき、監督の頭の中でSHIROBAKO一話の絵コンテがバーッとできたそう。他社の制作進行同士がカーチェイスするシーンが浮かんだらしいです。
P.A.WORKSがあるのは富山。 20年前に、P.A.WORKSを立ち上げた時、求人の応募が3人しか来なかったそうですが、グロス請け(下請け)で鋼の錬金術師と攻殻機動隊をやったら、人気作の効果でようやく人がきました。
社長は「地方にあるから地方のアニメを作ってるわけではなく、単に好きだから。観光地ではない、地方の日常をアニメで描きたい」とおっしゃってました。 P.A.WORKSは、「花咲くいろは」で出てくる「ぼんぼり祭り」が、実際に金沢で毎年行われるようになったり、質の高い作品で、地方活性化に一役買っています。
「今後の目標は?」と聞かれ、「質の高い人材を確保するには、会社が30年続かないといけない。神がかり的なアニメーターが一人いても、次の世代に継承できなければ意味がない。そのためには、アニメーターを社員にしないとダメ。うちでは新人育成のためのカリキュラムを組んでいます」とのこと。 「京アニさんが一つの理想。同じ社員でやっていくと、普通は『ここまででいい』と慣れが出てきてしまうけど、外からの刺激を常に入れて学んでいく姿勢があるんだと思う。一朝一夕でできることではない」
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