元CIAの人が書いた本。
CIAは、薄給なのに、なぜ優秀な人材が集まるのか?という話が面白い。 若くても自分の裁量で仕事ができるし、外国や危険地帯を飛び回ったり、滅多に無い体験ができる。 国を守ってる、世界を動かしてるという使命感。 短くて60日、長くて3年で別の任務へ異動なので、常に新しいことにチャレンジできる。 などが理由でした。
能力の高い人は管理が難しい(自信のある人は権力に従順でない)から一匹狼として活躍してもらう、とか。
スパイと、本部は仲が悪いそう。 スパイは、本部(総務・人事)のことを「官僚的・非効率的」と思ってるし、本部はスパイのことを「攻撃的・勝手に行動する」って思ってる。 横山秀夫の小説に出てくる、刑事と警務部みたい。
アメリカって感じがするのが「嘘はどうしてもという時以外、つかない。誠実が一番」ってところ 現地協力者を作るのは困難なので、自分を誠実な人間だと思ってもらうのが一番の近道だと。
著者がアフガニスタンでの長期任務中、スタバの豆の差し入れと、仕事を褒める手紙が入ってて、めっちゃやる気出たっていう話。なるほど。
事前に、話の練習するのよくない。本番で気持ちがこもらなくなるという話。 分かるけど、でも練習したくなるのよ〜。 「自分が話してる様子を録画して、自分のダメな部分を把握すべし」っていうのは、有効そうかも。 私、エキストラに参加した時、放送された映像を見ると、自分の歩き方が背中曲げてトボトボしていて、ギョッとしましたし。
翻訳すると、多くのニュアンスが失われてしまう。 話が通じにくい相手には、あまり話をしたがらない、というのもなるほどなー。 アメリカ人にとっては習得が難しい、アラビア語を話せる人は貴重なんですって。
現地協力者が、他国の諜報員に狙われていて、奪い合いになることも珍しくないそうです。 その国の重要情報を握ってる人は限られてるので。
「知りたいことは、直接尋ねず遠回りして訊くべし」その理由が、情報の信頼性チェックのためと、こちらの関心事を向こうに知らせない、っていうあたりスパイは大変。 だけど、これは実生活でも役たつかも?
「インテリジェンス(諜報)の目的の一つは、戦争にかかる費用を減らすこと」っていうのも、なるほどな。 アメリカは強すぎて、その点を重要視してないそう。
日本・米・ドイツなどは、諜報を技術と考えて、教育と訓練で誰でも習得可能と思ってるが、 英国・イスラエル・ロシアは、天賦の才が必要な芸術と考えてるって話も面白い。
「協力者が異常な水玉好きだったので、水玉嫌いなんだけど、仕方ないので水玉の服を大量買い」という話。 いつも水玉の服の人って、傍から見ると草間弥生みたいな(笑)
「CIA諜報員は金銭面とてもクリーン。でも諜報活動に必要なら、湯水のようにお金使えます。同僚は、ゲジゲジ眉毛の脱毛費用を本部から出してもらいました。そのままだと変装に支障が出るから」っていうのがちょっと可笑しかったです。
諜報員という刺激的な仕事に慣れてしまうと、普通の民間勤めでは満足できないらしいです。 かといって、CIAの本部勤めも、本部嫌いなんで嫌、となって、引退後は作家になる人がいるみたいです。
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