三菱自動車のリコール隠しを題材とした小説です。 表紙とタイトルは、ほのぼのした感じですが、中身は熱い。巨大組織と戦う個人ということで、「白い巨塔」を思い出しました。 走行中のトラックからタイヤが外れ、死亡事故が発生。事故を起こした運送会社の社長は、整備に不備がなかったことを確信し、事件の真相を独自で調べます。が、警察は最初から犯人扱い、大企業である自動車会社も、まともに相手にしてくれません。 更に、事件を機に、大口取引先からは切られ、銀行からは融資を断られ、子供はいじめられ、自分も周りの親から白い目で見られ…と次々苦難が襲います。この、ピンチ→切り抜ける→またピンチという繰り返しで、ページをめくる手が止められず、昨日はなかなか眠れませんでした。 大企業の、ぬるま湯体質や世間ずれしたエリート意識を、見てきたかのようにリアルに描いてるなぁと思っていたら、作者は三菱銀行の方だったのですね。 文章はとても読みやすく、中身はとても読み応え&爽快感がありました。読み出すとやめられないので、お時間のある時にオススメです。
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