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やすみ日記
梅子
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2008年03月20日(木)
公開工房ツアーに行ってきました。

「本ものに出会える日 おいでやす染めのまち本能」の「公開工房ツアー」に行ってきました。
紋の刺繍と、友禅の型染を見せていただきました。30分ずつくらい説明してくれはって、すごく面白かったです。
最後に本能館で、糸目糊置きと裃仕立て、京野菜細工の実演も見ました。
* * *
四条烏丸から10分ほど歩いた「本能館」にて、10時すこし前に受付。
スタッフさんは、揃いのはっぴを着ていました。かっこいい。
10時5分頃出発。私たちの回は、8人でした。受付帳を見ると、東京から来た人が居て、びっくり。

まずは、中村縫紋さんへ。
紋の刺繍屋さんです。細い路地の奥、更に二階にありました。小さなお部屋で、正座して見学しました。
実際、縫い紋や刺繍糸を触らせていただきました。絹糸、軽くて柔らかい。
縫ってるところも見ましたが、細かい作業! 針があまりに細くて、穴が見えないくらい。凝った縫い方だと、一つの紋に五時間かかるそうです。
最近は外国産の生糸が多くて、あまり質が良くないそう。糸専門のお店も、もう京都に一軒だけになってしまったそうです。
着物を着た後は、裏返して陰干しするといい、ということを聞きました。なるほどー。

次は、中東盛染工場さん。
友禅の型染め屋さんです。ここも、作業場は路地奥2階です。頭上には、沢山の板がつり下げられていました。貼り付けた反物を、乾かしているのだそうです。
6メートルの長い板に、糊を塗り、反物を張って作業します。型紙は、昔は和紙を貼り合わせて、手彫りして作った「伊勢型紙」を使っていたそうですが、今は職人さんも減ったので、プリントゴッコと同じ原理で、型紙を作っているそうです。
小紋だったら、一つの型紙で全体を染められますが、訪問着だと、多い場合は100枚くらい型紙が必要だそうです。ひえー。
着物を染める行程は、簡単なものだと4行程、多いときは20行程くらいになるそうです。この本能地区には、100メートルに30軒くらい工房があるので、近所をぐるっと回ると、着物が一枚できるのだとか。
一階に降りて、見本帳を見せて頂きました。昔は、一反を色んな柄に染めて、呉服屋さんに配る見本にしてたそうなんですが、コストがかかりすぎるので、今は、本のカタログにしてるそうです。
色を抜いて別の柄にしたり、色を上からのせて地味にしたり、好きな柄を持って行って染めてもらったり、ということも、このお店でできるそうです。

本能館に戻って、甘酒をサービスしていただきました。美味しい。暖まります。
次に職人さん達の実演を見ました。
まずは京刺繍。
絞りの柄を刺繍で表現したり、神業的細かさです。紋をキーホルダーにしたのがあって、とても可愛いなと思ったのですが、行事用記念品の残りで、非売品だそうです。残念。
次は、糸目糊置き。
友禅染で、染めたくない部分を白抜きするための行程です。
細ーく糊で線をなぞっていくのですが、これも細かい作業ですね。
裃仕立て。
縫い目が少なくて、構造は簡単そうでした。今は、鮫小紋の柄は、ローラーでプリントしていくので裏は白いのだそうです。昔は職人さんが手作業で染めてたので、裏にも色が移ってたんですけど。だから、裏も染まってる裃は古いものなのだとか。
今は、裃は時代劇なんかで需要があるそうです。
京野菜細工。
さつまいもで、鯛や金魚を掘ってて、細かーい。ほとんど一本の包丁で彫ってるそうです。すごいなー。
まわりが細かい細工は、煮崩れたりするので、縁はなるべく元の形のまま、中心部分に柄を入れるとか、色々工夫されてるようです。

イベント運営費のために手ぬぐい(400円)を売ってはったので、土器・木賊・浅葱の三色から、土器(かわらけ)を買いました。

のれんスタンプラリー。
帰り道、油小路通一帯では、古典色の暖簾がかかっていました。スタンプを押すと、色の名前の読み方が分かるようになってるんです。
色とりどりできれい。知らない色がいっぱい。面白そうでしたが、時間が無かったので、三色しか押せませんでした(^^;