2005年08月12日(金) |
映画【亡国のイージス】 |
原作を読んでいないのですが、これって読まないとかなり苦しい内容かも?(^ー^; テーマが重くて面白い作品ではありますが、少し頭を使うことを覚悟して見るべきでしょう。 見所満載ではありますが、なんていったって人間関係がわからなすぎ。(笑) という私は原作を読んでおらず、映画が始まるまで現代物だったということさえ知らなかった! という大バカものです。(^0^;
防衛大学学生がホームページに載せた論文「亡国のイージス(盾)」が発端となって、東京湾沖で戦争とも言える事件が起きます。 某国(北朝鮮か?)の反体制組織が自衛隊のイージス艦を乗っ取り、一部自衛官もそれに協力します。 日本人の平和ぼけぶりを、これでもか! とばかりに見せつける演出と、まるで機械のように精密に、任務を遂行しようとする工作員。 よくもまぁ、自衛隊が協力したよな……と思われるほどの映像。
ダイハードなどのアクションものに分類できると思うのですが、そこまで単純なドラマではなく、人間ドラマがメインなのです。故にこの時間では短すぎたのかも知れません。 如月という男の過去は、映像で振り返りながらも謎が多く、まぁ、想像でしかないけれど、父親に追いつめられて母親が自殺したという辛い人生を歩んでいるらしい……。 訓練によって徹底的で精密なコマンダーとなっているけれど、その反面、とても繊細な内面をもっている。 うるり、としたシーンは、彼が死にかけて意識朦朧とした時に、宮津に父親の話をし、宮津がそれに答えて「お父さんが悪かった」と謝るシーン。 宮津が、まるで息子の意思を引き継ぐかのつもりで、この愚行に至ったことと考え合わせると、胸が熱くなりました。 あと、心に残った台詞は 「平和ってものは戦争と戦争の間にあるものだ」 という言葉です。 誰もが「世界平和は実現しない、永遠に平和なんてない」などと絶望します。 でも、平和というものは戦争という手段に訴えないように努力する戦いの日々の上に成り立っている、今の日本のような状態を言うのかも知れません。 平和は人間の一生のようなもので、どのようなすばらしい平和を謳歌しても、やがては死んでゆくものなのかも知れません。でも、人のすべてが死に絶えた日があったでしょうか? やがては死んでしまう命であっても、それをいかにして生きるか、いかにして長生きするか、を努力しながら生きるのが人間です。平和もそんな地味な者だと思います。
う、話が脱線。(^0^; 映画自体は面白いのですが、ダイハードだと思ってみると、アクションがものたりず、人間ドラマだと思ってみると、あまりにも説明不足ってところが目につきます。 人間ドラマの説明不足は、日本映画の特色でもありますね。演技と映像ですべてわかれよ、という乱暴さというか……。 後半に入ってくると、だいぶわかるようにはなってきますが、その分展開が都合よくなってしまう気がします。 相当の覚悟をして反旗を翻した自衛隊員たちの安易さ、仙石さんにあっけなくやられるテロリスト。あっけなく爆発するイージス艦。 手旗信号に至っては、本当にダイハードみたいだなぁ……。 いろいろな人の思いが錯綜するのがいいところではあるけれど、仙石、如月、宮津程度にしぼったほうがわかりやすかったのではないかと思います。
なーんて辛めになりましたが、ほんと、見てよかったし、原作も読もうと思います。 逆に映画があまりにも単純化されていてわかりやすかったら、原作読んでみようとは思わないかも? わからんくらいのがちょうどいいのかもしれません。(笑)
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