| 2004年05月06日(木) |
[ニース旅行4]鷹の巣村・エズ |
えー、しつこくアンテルボーのことを。 まず、アンテルボーと書きましたが、それは私が多分そう読むのだろうと書いただけで、本当は違うかも知れません。正しくは『 Entrevaux 』という綴りです。 帰りは汽車の中で眠たくなっていたのですが、面白いことがありました。
駅は無人駅が多いので、車掌さんは大活躍です。 若い男の人だったのですが、私たちの反対側に一人で乗っていた女の子が気に入ってしまったらしく、言葉を交わしておりました。 しかし、そのうちますます仲良くなってしまい、しまいには向かい合って座って語りだしてしまいました。女の子のほうもまんざらではないらしい。 おいおい、仕事中にいいんですかぁ? って感じです。 でも、ちゃんと汽車が止まると、まじめに仕事はするんです。そして、また走り出すと、座ってお話。 どうやら女の子は学生で、住んでいるところはディジョンというところらしいです。ニースからは遠いみたい。で、メール・アドレスを聞くところまで、車掌さんは成功し、メモを取ろうとしたところ、再び駅。仕事に戻っていきました。 ところが、その駅から別の若い男の子が乗り込み、なんとその女の子の向かいに座ってしまいました。車掌さん、ピンチ! もう戻れません。 しかも、どうやらその男の子にはお友達がいたらしく、次の駅では派手な若い女の子が二人乗り込んで、4人掛けが埋まってしまいました。 きゃいきゃいしている若者たちにまじり、例の女の子は居心地が悪そう……。 これで車掌さんとの出会いもおしまいか……? と、思われたところ、ちゃんとニースに着いたときに、車掌さんが再び女の子に話しかけ、なにやらアドレスなどをメモっておりました。 めでたし、めでたし……。
このプロヴァンス鉄道、本当に楽しいですよ。そんなラブロマンスはめったにないかも知れませんが、とある駅に着いたとき、駅員さんが走ってきて、一生懸命くるくると紐を巻きつけている。まさか? と思ったけれど、どうもレールの切り替え作業だったらしいです。
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話変わって、本日のことをば。 この日でホテルをチェックアウト。やっと晴れていい天気。 予定では、鷹の巣村として有名なエズに行き、その後、サンポールエヴァンスという鷹の巣村では一番人気という村に行くはずでした。 「でもさ、やっぱりイタリアにも行かない?」と、しつこい姉。 ホテルも決まっていないのに、観光に専念できるのか? それに移動ばかりじゃ私はいやだ! と駄々をこね、今日は二つで納得させました。 ニースからイタリアに行ったという事実を、姉は作りたかったようなのですが……。でもさ、行ったという事実を作るために、駆け足観光はいやだったんですよね。 午前中でエズを見て、ニースに戻り、バスでサンポールエヴァンスに移動。ホテルを決めて観光。翌日、再びニースに戻り、ニースの旧市街を観光し、お土産でも買おうってことになりました。 それに、ニースのご馳走も食べてはいないしね。
ニースのホテルに荷物を預かってもらって、一泊だけの用意で出発。 しかし、そこでバスを乗り違えるという大きな間違い。20分でつくはずが40分たってもつきません。しかも、山の中ではなく海沿いを走っています。 景色はとてもきれいだったけれど……。 一応、エズに止まるか? と確認したら、止まるというのでそのまま乗っていました。 はい、止まりました。確かにエズですが、それは海のほうの地域で、目的のエズ・ヴィレッジは、はるか山の方でした。 ここからは1時間の登山になります。 その日の私の格好は、素足にサンダル。しかもヒール。スカートでした。 もちろん登山しましたよ。もう……。(−−; 体力に自信ありの姉に、すべて荷物を持たせて。 しかし、見事な晴天のおかげで、やっとニースらしい風景を味わうことができました。とはいえ、なぜか礼文島縦断ツアーを思い出してしまったのはなぜでしょう? はい、礼文島縦断ツアーもなかなか過酷で、しかしきれいな景色が堪能できて、いい思い出になりますよ。 『ニーチェの小道』と呼ばれるこの道を、きっかり1時間掛けて上りきりました。かなりハードですが、景色はきれいですし、途中咲いている花もきれいです。 ぜひ、一度チャレンジを。エズに着いたときの感動が違います。
はい、着いたとき一番最初に思ったのが、ビールを飲みたい! でした。 途中、なぜか持ち歩いていた水を飲んではいたのですが、暑さと疲労でのどがカラカラです。 昨日のアンテルボーをにぎやかにしたような、とてもかわいい村です。 私の荷物まで持ってくれた姉が、さすがに疲れたのか、今日はここで泊ろうと言い出し、インフォメーションで安宿を探して、泊ることにしました。 理由は、疲れたのもありますが、次の場所に移動するためには、この村の滞在時間が30分しか取れないということもありました。1時間登山に費やしてしまったので。 どうせ泊るなら、ヴィレッジ内のシャトーホテルに泊りたいとも提案しましたが、姉は宿泊よりもご馳走を選び、一泊60ユーロの二つ星ホテル。 なんと、下のお土産屋さん兼食堂がホテルの受付までしているという簡素さ。でも、清潔で心地はよかったです。
チェックインを済ませると、再び村へ。 ニースから20分で来れるとあって、観光客がたくさん。アンテルボーとは違い、ほとんどの建物が、売店かレストランかホテルになっています。 しかし、ちゃんと住んでいる人もいるらしく、中庭のようなところで写真を撮っていたら、家から男の人が犬の散歩に出てきて、照れくさかったです。
建物はみんなやはり小さいので、お店も大変です。 看板があり「ここの品はこの先の『ソフィーのお店』で」などと書いていて、展示だけしているっていう場所もあります。 アンテルボーでもそうでしたが、中世の人って小人だったのでしょうか? 本当に何もかもが小さすぎです。 喉からから、おなかもすいてきた私たちは、ホテルをケチった分、贅沢にレストランへ。 ガイドブックにも載っている『シャトーエズ』ホテルのレストランに入りました。なんせ、一泊300ユーロ近くの値段のホテルですから、入りにくそう……。そこをがんばって入りました。すると……。 「食事は12時からです」とのこと。がくーーー!まだ、20分前でした。 モナコの例もあるし、仕方がないから「予約だけして20分後着ます」というと、「よろしければ、テラスで座って待っていてもかまいません」とのこと。うわーい! そこのテラス、めちゃめちゃ景色がよいのですよ! もちろん、休ませてもらいました。 いやー、景色はきれいだけど……ここでビールがほしいよねぇ……などと話していると、先ほどの人が戻ってきて、「もしよろしければ、何か飲み物でも?」なんていうから、すぐにビールを注文しました。 銘柄は? と聞かれたので、フランスのビールでお願いしました。あとから知ったところ、フランスのビールはいまいちという噂で、レストランでは別物を頼む人が多いようです。でも、やはりフランスに来たならフランスのビールだよね。 実はいつもうちで飲んでいるビールが出てきたのだけど、喉が渇いてへとへとだったから、ものすごくおいしく感じました。
料理は、本日のお任せコース。ワインはハーフのプロヴァンスの白でお願いしました。 正直に言います! 美味しかったです! メインは魚料理だったのですが、飾りつけもきれいだったし、美味しいです。マスににた魚ですが、白身で淡白。それにソースを絡めて食べます。 パンも何種類かあり、係りの人が食べ終わったのを見計らって、どれがいいですか? と聞いてくれます。 私は、最初はオリーヴ入りのパン、次にブラウン・パンを食べました。美味しいです。 もう、ソースももったいないからパンに絡めてすべて食べました。 ワインもかわいいお兄さんが注いでくれるし、もう景色はきれいだし……最高!
お料理は、味だけじゃないなぁ。。。気分だよなぁ。。。などと感じました。 味も盛り付けも繊細で、先日のモナコとは大違い。でも、何よりもサービスしてくれる人の心使いが美味しかったのです。 きれいな景色を見てワインを……と思ったとき、ちゃんとワインを注いでくれ、パンのおかわりがほしいときに、ちゃんと持ってきてくれ、写真を撮りたいと思ったときに、写しますか? と声を掛けてくれる。 それなりに高かったけれど、(ホテル一泊よりも高いぞ!)気分は最高! ここはお勧めですわ。
しかし、食事している間に、なんとなく雲行きが悪くなってきました。風が出てきて、寒くなってきました。 案の定、食事を終えて街中を散策しているうちに雨。急激な天候の変化にびっくり。暖かいと思って、上着をホテルにおいてきたのは失敗でした。 ちょっと歩いては店に飛び込むという感じで、おそらくエズにあるお店は全部入ったと思います。 ソフィーさんのお店に入ったときに、ついに本格的に降り始め、そこで買い物しがてら雨宿り。すると、ソフィーさん、いきなり荷造り用ビニールをチョキチョキ。何をしているのやら? と思っていると、いきなりそれを私にかぶせるではないですか? つまり、合羽を作ってくれていたのです。 雨もよけるけれど、寒かったのでありがたかったです。 エスでは結構日本人にも会うことが多く、この店にもちょうど雨宿りがてら見るだけの団体日本人客が入ってきていました。 ほぼ同時だったので、私たちも、多分見るだけの観光客に見えたでしょうに、「いるぷる(雨が降っている)」といったら、「あら、それは残念」などといって、ちょきちょきし始めたのです。 ソフィーさんはいい人だぁ。。。
というか、この村の人はみんないい人みたいです。 プロヴァンス近辺で活躍の画家の絵を扱っているお店の店番の女の子は、絶対買いそうにないのに話に付き合ってくれ、寒さは11月並だといってました。 その上、ニーチェの道を登ってきたというと、地元にいる自分でも試したことはない、でも景色がいいというので、いつかはチャレンジしたいと言っていました。 地元の人さえしないことをしたんだよ。私たち……。(−−;ただし、犬の散歩コースにしている地元人はいるようです。 ついに土砂降り、しかも風が強くて、ソフィーさんお手製の合羽も効かない有様になり、教会で雨宿り。真っ暗でしたが、目がなれるほどそこに閉じ込められました。 雨だけではなく、風がひどくて。 やっとホテルに着いたときには、もうべちょべちょでぐちゃぐちゃ。さすがに疲れたのと、酒と、時差ぼけのために、一度姉はお休みモード。寝てしまいました。
しかし、天気は変わりやすい。 4時ごろになると再び天候がよくなり、日差しが戻ってきました。早速姉をたたき起こして、再び村散策。ガイドブックに載っているサボテン園に入りました。 天候が心配でしたが、その後は再び暖かくなって、私たちの気分も盛り上がりました。それにサボテンがかわいいんです。 アロエとアロエでないものがあるらしく、その違いを説明した文章があったりして面白かったです。そして、ここの景色が、またすばらしい! 先ほど食事をしたホテルのレストランが一望できます。頂上は壁の一部しか残っていない砦の跡があり、アンテルボーの砦が、廃墟とはいえよく残っているほうなんだなぁと実感しました。 6時半閉館……といっても、まだまだ明るい中、ぎりぎりまでくつろぎました。
エズでの面白いことといえば……。 いきなり背後から日本人に話しかけられたことでしょうか? エズは人気のスポットで、かなり日本人も着ます。団体ツアーやオプショナルで来る人と、女の子同士や新婚さんらしき人が、バスに乗って(20分で着くほうで)くる場合が多いようです。私たちのように泊るのはまれでしょう。なんせ、ニースから20分ですから。普通は。 背後から話しかけられた話に戻ります。 いきなり「すみません……」と蚊のなくような声。聞き違いかと思っていたら、再び。 振り向くと、老人といえるくらいのおばさんが一人。何でも道に迷ったらしいです。 エズは10分も歩けば全部村を見ることができそうなくらい狭いのですが、小さな道が入り組んでいる上、坂道も多いので、迷子になりやすいのです。もう迷路のようなところです。 どうやらツアーでやってきたのですが、仲間とはぐれてしまい、集合時間が迫っているのに、坂道で息が切れてしまい、もう泣きたい気分でいたようなのです。 とはいえ、私も自信がないので一走りして道を確かめ、出口を教えてあげました。 時間を気にすると、どうしても楽しんで見ることができませんよね。きっとその人のエズの思い出は、迷子になって困り果てた……となることでしょう。
その坂道の中腹に、テーブルクロスや陶器やらを売っているお店があり、店のおばさんが、クロスを縫う作業をしていました。 姉はそこでクロス用の生地を買ったりしました。私もテーブルクロスを買いました。かなり長く悩んだりして、居座ってしまいました。 しかし、姉はまだ買い足りなかったらしく、翌朝、再びヴィレッジを散策しようと言い出しました。その店が開いていたら、買い足したいものがあるらしいかったのです。 バスは10時なのでちょいと無理っぽい。案の定、店はちょうど開店の準備をしているような状態です。 ここのお店は、毎日きれいにウインドウをかたずけて、翌朝再びきれいにディスプレイするらしいです。 やはり閉まっているようだねぇ……と思っていたら、ちょうど店のおばさんが歩いてくるではありませんか! おばさんはびっくりして 「坂道はつらいから、ゆっくり歩いてくるのよ。待たせたかい?」 などといって、まだあいていない店に特別に入れてくれました。
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