三崎綾+☆ 綾 姫 ☆の不定期日記

☆ 綾 姫 ☆

短編小説 ずっと貴方を愛してる part5
2011年01月24日(月)
別れを決心したけれど、私の心は揺れ動いて居た。
彼が大学を卒業するまでは、一緒に居られるんじゃ無いのか?
彼が結婚しても、私は日陰の女でも良いから、一緒に居られるんじゃ無いのか?
別に別れてしまわなくても・・・こんなにも愛してるのに・・・

自問自答を繰り返して居た。

精神的には限界を超えて、「逢いたい・抱かれたい」そんな事ばかり考えて居た。
その反面、何時までもこのままでは駄目なんだ。何時か終わりが来るんだから、
ちゃんと大人で居よう。それが彼から貰った愛情のお礼なんだから。

いっぱいいっぱい言い聞かせた。いっぱいいっぱい泣いた。
彼の前では絶対に泣かないで置こう。私からさようならを言おう。

お菓子が入ったような箱。精神科の薬箱だった。
何時の間にか飲まずに済んで居た。彼が私の薬になってくれてた。
思い切って箱ごと、マンションの裏の畑へ持って行って、
ゴミを焼いて居たおばちゃんに頼んで、薬箱を焼いて貰った。

もう要らない。私は薬にも彼にも依存しない。
自分の足で生きて行こう。それがどんなに辛くても苦しくても、
昔の世界に戻るよりはずっとまし。




深夜、彼がバイクで来た。バイクの音で彼だと解る。
玄関のドアを開けた。微笑む彼の顔。

もうこれが最後だからね・・・無言の意思表示をした彼。
私は彼の腕の中に泣きながら入って言った。

何度も何度も押し寄せて来る波・・・失神
それでも彼の愛撫は止まらなかった。
「た・たすけて・・・壊れる・・・」
反り返って意識が無くなる。それでも彼の愛撫で反応する身体。
軽々と私を持ち上げて体位を変える。
その度に私の一番感じる所に・・・突き上げられる快感。
完全に飛んでいった。もう駄目・・・

抱かれながら頭の片隅が冷静だった。もう1人の私が、
「最後なんだから、彼を身体の隅々まで感じた方が良い」と言って居た。
「解ってるから」

何時間、攻められて居たのだろう・・・身体中が痙攣して居た。
初めて抱かれた時より、格段に上手くなった彼。
何処で遊んで居たの?誰を抱いて来たの?
風俗の世界に居た女を、全身痙攣起こさせるほど彼は・・・


優しいキスを残して、彼は帰って行った。
私はそのまま深い眠りについた・・・



気怠く目が覚めると、全身に夕べの愛撫の余韻が残って居た。
ゆっくりお風呂に入って、タバコを吸おうとテーブルの所に行くと1枚のメモが。



5年間ありがとう
多くの学んだ事は、これからの人生への自信となります。
また落ち着いたら連絡下さい



あたしから言おうと思って居たのに・・・
不思議と涙は無かった。すがすがしい気持ちだった。
ありがとうの言葉も言えなかったけど、彼を愛して良かった。
ありがとう・・・







その後、彼とあったのは2度だけだった。
1度目は親友のお葬式。
もう1度はPCの設定に来てくれた。他の仲間と共に。


私の中には、「まだ愛してる」と言う感情が残ったままになっている。
だけど昔にはもう戻れない。

彼は私の思ったように、エリートコースを歩き続けて居る。
私は家庭を持ち、子供が出来て平凡だけど幸せな生活を送っている。

彼が残していったメモは、今も大切にしまってあって、
彼と撮った写真は、仲間と撮った大量の写真の中にある。
それと私の手帳の中に1枚だけ挟んである。
あたしが生死をかけた「アスピリン喘息のテスト」に行く時に持って行った。
彼が勇気をあたえてくれる。そう信じて・・・



今でも仲間は私の支えで、彼は私の命で、
離ればなれになってしまって、何処に居るのか解らない仲間も多いけど、
それでも、あの「青春時代」の楽しさだけは、
彼らの笑顔は私の宝物となって居る。
彼らと出会えたから私はこうして生きていられる。




もしも死ぬまでにもう1度彼と逢えたら、1つだけ聞いて見たい事がある。


 
「貴方は私を愛していたの?」



きっと微笑むだけだろうね。
数年の時を彼と過ごしたけど、彼の本心が結局分からないまま。
それでも良い。解らなくても良い。今となってはどうでも良い事。


「光さがして。」が書籍になる前、構成段階に入ってHPから原稿は無くなったけど、
別のURLですべての原稿が読める状態になって居た。
出版社と私の連絡用URLで、追加原稿はそのURLに書いて居た。
私はそのURLを仲間3人だけには知らせた。その3人の中に彼が居る。

これが本になる、確認だけはして欲しい。誰も何も言っては来なかった。
本が出来てしばらくして、サインを書いて仲間3人に送った。
感想は誰も何も言って来なかった。

きっと「ずっと貴方を愛してる」の主役の彼は、
この続編を読んでも何も言って来ないだろう。彼はそういう人だから。


いろんな物を、彼からいっぱい貰った。
彼の青春時代を私は彼から奪って、あんな過去を持つ私を彼は支え続けてくれた。
感謝・・・一言では言えないんだけど、この言葉しか見つからない。


これから先も、きっと私の心の支え。彼は私の心の中で生きている。
死ぬまで逢えなくても、私は彼を愛した事を。。。






生まれ変わっても貴方と出会い結ばれる。今度は絶対に離れないからね。








愛してる。。。ずっと貴方を愛してる。。。