今回は「Blue Moon Creatures」さんの『雪月夜』です。 水月さくもさんは同じ大学の同級生だったりするんで、身内贔屓とか言われそうですが、んなこたありません。 私はこの方のちょい長めのお話が読んでみたかったんです(断言) だから、『雪月夜』を初めて読んだ時は小躍りしました。 大げさかもしれませんが、そのくらい喜びました。 冬の夜、帰宅途中の李華(りっか)は猫を見つけ森の奥へ入っていく。 森の奥には洋館が佇んでおり、そこにかつての友人の面影を見る。 その洋館の中には……? 大まかなストーリーはこのような感じで、冬の一場面が切り取られたお話です。 とても読みやすいサイトデザインですので、ストレスなく読めます。 主人公はごく普通の、どこにでもいる学生さんです。 これといって詳しい背景は述べられていませんけど、私はそう読み取りました。 性別は言及されていないんですが、少年でいいんでしょうか? ちょっとしたからくりのようなものが仕掛けられていて、読んだ後に「ああ、そうなんだ」と納得してしまいました。 青を基調としたサイトデザインもあり、冬の冷たい空気を感じられる物語です。 ふわふわと浮いた幻想感の中には暖かさも冷たさも内包されています。 「物語」という堅苦しい言葉よりは「おはなし」といったほうがしっくりきます。 小説ではなく、童話に近いのではないかと。 これ、シリーズ化とかしてくれたら嬉しいなぁ。 他の長いお話も読んでみたいです。 というのを素直に本人に言えないあたりも私の感想下手なところです。
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