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『架空喫茶室』(まちと物語〜はるの小径)
2002年02月17日(日)

今回は「まちと物語〜はるの小径」さんです。

実は、小説サイトではありません。
概略にも書いてあるのですが、「まち系」のHPです。
主役は人でも動物でも植物でもない、「まち」に焦点が当てられた、読み物や画像がメインとなっています。

えーと、何の感想を書こうかかなり迷ったんですけど、『架空喫茶室』でいきます。
『架空喫茶室』は「まち物語」というコンテンツにある連作短編小説です。
他にも色々あるのになぜこれにしたかというと、嫉妬したからです。
この小説には、私が書きたかったものが描かれていたんです。
風景、情感、想い、と書き出せばキリがありませんけど、私は連作短編でそういったものを書きたかった。

だけど、『架空喫茶室』は私なんぞを軽く上回っていました。
開発が進む街を舞台として人と人の交わり、心情、人生の断片がこの小説の主なストーリーです。
しかし、本当の主役は街ではないかと思います。
時代とともに街の情景は移り変わる。
過去の面影を求める登場人物は街を歩く。
本当に時代に取り残されようとしているのはどちらなのでしょう。
短編映画を見ているような非現実感に、時折リアルさが混じったように感じられる作品です。

『架空喫茶室』だけではなく、他の作品も面白いので、「まち」が好きな方にはおすすめです。



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