今回は「まちと物語〜はるの小径」さんです。 実は、小説サイトではありません。 概略にも書いてあるのですが、「まち系」のHPです。 主役は人でも動物でも植物でもない、「まち」に焦点が当てられた、読み物や画像がメインとなっています。 えーと、何の感想を書こうかかなり迷ったんですけど、『架空喫茶室』でいきます。 『架空喫茶室』は「まち物語」というコンテンツにある連作短編小説です。 他にも色々あるのになぜこれにしたかというと、嫉妬したからです。 この小説には、私が書きたかったものが描かれていたんです。 風景、情感、想い、と書き出せばキリがありませんけど、私は連作短編でそういったものを書きたかった。 だけど、『架空喫茶室』は私なんぞを軽く上回っていました。 開発が進む街を舞台として人と人の交わり、心情、人生の断片がこの小説の主なストーリーです。 しかし、本当の主役は街ではないかと思います。 時代とともに街の情景は移り変わる。 過去の面影を求める登場人物は街を歩く。 本当に時代に取り残されようとしているのはどちらなのでしょう。 短編映画を見ているような非現実感に、時折リアルさが混じったように感じられる作品です。 『架空喫茶室』だけではなく、他の作品も面白いので、「まち」が好きな方にはおすすめです。
|