鶴は千年、生活下手

2016年03月09日(水) パニック

2月の終わりに小学校最後の授業参観があった。
それは支援級の授業参観。
他の学年に対して、自分たちの学年で一年間にどういうことをし
たかを発表した。
各学年、それぞれに発表の仕方は違っていて、それが面白かった。
先週は、校外学習で国会議事堂に行った。
そして、支援級のお別れ遠足で、遊園地にも行った。

なんだかんだとあるのだが、今週は日曜の夜から寝不足で、今朝
は休みたい気持ちと学校に行かなくてはという気持ちとで、どち
らを選びたいのか自分でぐるぐる考えてしまって、パニックに。
結局、30分遅れで登校した。

パニックになっている息子に、過呼吸にならないように言おうと
思って声をかけると、よけいにパニックになり、あーあーと声を
出しているので、わたしの声が全く耳に入らないようだ。
自然とわたしの声は大きくなり、大声で話しかけると怒鳴られて
いると感じてまたまたパニックになるという悪循環。
もうこれは距離を置くしか無いと思い、もういいよ、出て行くと
言うと、家を出ると思ったらしかった。
わたしが玄関で座っていると、なにやらガタガタと音がした。
玄関への戸を開けた息子は、ギザギザの刃の子供用の刺さらない
包丁を持っていた。
わたしは包丁をとりあげ、怒鳴りながら息子の頬を左手でひっぱ
たいた。
息子は、家から出て行かないように脅すつもりだったと言った。
刺さらない包丁なのがわかっていて、その包丁を選んだと言う。
母が振り返らなかったどうしたかと聞いたら、振り返るまでその
まま待ってるつもりだったと言う。
要するにポーズだったのだ。

少しは冷静だったのだなとは思ったが、そのやり方が大きく間違
っていることを、静かに説明した。
人の心は、そんなものでは動かないということ。
危険なものを、そんな理由で手にしてはいけないということ。
母に出て行って欲しくないと思ったら、心から出て行かないでと
言えば済むことだと。
本当に心からの言葉でしか、相手の心は動かないこと。
部屋から出て行くという意味で、母が家から出て行くわけがない
ということ。
あーあーと言っている君に声を届ける為に声が大きなってしまう
こと。
母は声を聞いてもらえないことが悲しいのだと言うこと。
困っていることを言葉にしてくれないと、どうやって力になって
やればいいのかわからないということ。

たった30分に出来事が、大層なことのように見えるが、それも
また日常のひとコマなのである。
夫がいる時間には、絶対に起きないだろうひとコマである。


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市屋千鶴 [MAIL]