鶴は千年、生活下手

2011年02月06日(日) 母親の孤独

NHKの番組で「4ヶ月までの母親の孤独」について取り上げてい
た。
思い返せば、わたしもそうだった。
一日中ずっと家の中にいて、帰宅後の夫以外の誰とも話をしない
ままに一日を終える日々が続いた。
わたしはミルクと母乳の混合だったし、2ヶ月を過ぎた頃からミ
ルクオンリーになったので、その分だけ楽だったと思う。
夜はミルクをたっぷり飲んで、よく寝てくれた。
夜中のミルクの準備は、夫も手伝ってくれた。
泣き声で、おなかが空いているのだなとわかる子だった。
ミルクは母乳よりも腹持ちがいいので、母乳よりも授乳感覚が長
いし、他の人間に頼むことができるので夫に替わってもらったり
することができた。

わたしは2ヶ月の頃から、ベビーカーに乗せて買い物に出たりし
ていたので、よくいくスーパーのレジのおばさんたちが声をかけ
てくれた。
それがうれしくて、いつもそこに買い物に行くようにしていた。
ほんのちょっとの声かけがうれしかったのだ。
かわいいわねえと声をかけてもらうだけで、がんばってるのねと
励ましてもらっているような気持ちになった。

いちばん辛かったのは、退院した日の夜だった。
退院したのは昼過ぎで、夫は午後から仕事納めのために出て行き、
夜8時過ぎまで帰らなかった。
わたしは、ろくに出ない母乳を一生懸命に飲まそうとしていた。
入院中からうまく飲ませることができなくて、搾乳器が欲しいと
真剣に思っていたが、退院のときには急いでいる夫に言い出せな
いままだった。
そのまま一人になり、うまく飲ませられないまま、泣きそうにな
っていた。
退院したその日に一人っきりにされた母親は少ないだろうと思う。
レンタルしたベビーベッドは、組み立てられることもなくおかれ
たままで、そのこともとても悲しかった。
夫は、父親になったのに、退院までの間、何も用意していてくな
かったのかという思いがますますわたしの心を暗くしていた。

その後はいろいろと手伝ってくれて、もぐちゃんの面倒もよくみ
てくれて、いうことなしの父親だが、この退院の日のことだけは
忘れることができない。
いつまでも悲しくなってしまうのだ。
だから、なるべく思い返さないようにしていた。

誰かと話をしたいのだろう。
夜中の孤独な授乳の時間に、同じように孤独に授乳している人が
いるとわかるだけで、楽になるという。
ツィッターで他のママさんたちとつながることで、孤独から抜け
出すことができているというママさんたち。
とてもよく気持ちがわかった。

つながりを探せた人はいいけれど、一人で悶々としている母親が
いたら、それはどうやって探し出してあげればいいのだろうか。

 表には出ない孤独を探すとき耳を澄ませて目を見開いて(市屋千鶴)


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市屋千鶴 [MAIL]