鶴は千年、生活下手

2004年10月19日(火) ポケタン

土曜日に行われた「かばん」の20周年記念イベントは、とても
楽しいものだった。
1500円で、あれほど楽しめるなんて、大満足であった。

イベントは、「ポケタン歌合わせ」というもの。
短歌をポケットモンスター、作者をトレーナーとして、6人のレ
フェリーの支持がどちらか一方にすべて集まるまで何ラウンドか
を戦う。
レフェリーの意見を聞きながら、トレーナーはポケタンの疲労を
回復したり手当をしたり(改作)して、次のラウンドに進むのだ。
試合の間、トレーナーに発言権はない。

これが3試合行われた。

それぞれのレフェリーの支持した理由などを聞いているのも面白
いのだが、スクリーンに映し出されるそれぞれの短歌が改作され
ていく様子を生で見ているのはとても刺激的だった。
パソコンの画面をスクリーンに映し出していて、トレーナーが消
したり書いたりするのがそのまま反映される。
自分で気に入っていた箇所が消されたりすると、ええ〜っと思う
のだが、反面、次に書き出される言葉を待つ楽しみは大変大きい。

こういった、パソコンとスクリーンをつないで見せるということ
する場合、ちょっとした不具合が起きて、時間がポッカリと空い
てしまうことがよくあるものだ。
そうでなくても、書き慣れないタブレット上での消したり書いた
りというのも、時間がかかるものなのだ。
その空白の時間を、いかに観客をしらけさせないでテンションを
保ったままでいさせるかが大事だと思うのだが、これは司会者の
力によるところが大きいと思う。
今回司会をなさった千葉聡さんは、最初の挨拶の部分からのつか
みが良かったと思われ、その時の好印象をその後の進行へも持続
させることに成功したと思う。
たぶん、それは人柄なのだ。
レフェリーのコメントに対する、たったひと言が笑いを誘う。
パソコンをスクリーンに反映させてみせたデジタルな部分と、司
会者の話術というアナログな部分とが、上手い具合に溶け合って
いいイベントになっていたと思う。

もう一度言うが、短歌をどんどん手直しして行く様子を生で見て
いるのは、本当に刺激的だった。
面白い。
ただ、残念なのは、最終的に決着を付けようとした時に、短歌が
最初の状態に戻ってしまったりすることであった。
短歌の作者にとっては、最初に作り上げた時に自分なりの完成度
があって、それは手を入れたくないものなのかもしれない。
しかし、どんどん変化して行く短歌を楽しむというイベントにお
いて、そういう状態になるのは残念な気がした。
改作はしてみたものの、前の方が良かったなあと思うことは確か
にあることなのだが、改作して冒険をしながらいい短歌にしてい
くというイベントの趣旨を考えると、やはり果敢に改作して欲し
いなと思うのだった。
が、それでも、そこまでの紆余曲折を楽しむことができたのは、
やはり楽しかった。

会場では、受付をしていらした本田瑞穂さんの歌集を買った。
ご本人にサインもしてもらった。うれしかったなぁ。
とてもきれいな装丁の歌集で、素手で触るのはもったいないなと
思うくらい。
帰りの電車も混んでいたし、家に居たら平日のもぐちゃんが寝て
いる時間にしか読めないしで、まだ読めていないのが情けない。
今日は今日で、もぐちゃんの寝ている時間にまとめて日記を書い
ているのだから、まだ歌集を開くことはできないでいる。
ああ、楽しみ。
他にも欲しい歌集はたくさんあるのになぁ。
ふう。


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市屋千鶴 [MAIL]