予定通り、今日は一人で叔母の家まで出かけた。 上京して二十数年、母の二人の妹を拠り所として、わたし達 は良く集まる。 わたしと姉と従姉妹二人の、女四人が上京し多摩方面で生活 していた。(わたし以外はいまでも多摩方面。) 叔母の子供(男一人女一人)を含めて、いとこ同士は兄弟姉 妹のように仲がよい。 それぞれが所帯をもって家族の人数も増え、今では集まると 20人近くになる。 その人数で旅行とかに出かけるのだから、それを取り仕切る 幹事といったらそれは大変なものだったが、数年前から旅行 を止めていた。
叔母の娘はアメリカでアメリカ人と結婚して、昨年の末には 女の子を出産した。 その二人が子供を連れてこの秋に何度目かの来日する。 だんなさまは、日光東照宮が見たいらしい。 それを聞いて、久しぶりに親戚一同の旅行を実施することに なり、今日はそれの打合せのようなものだった。 昼から6時過ぎまで、延々と話す。
女同士はよくしゃべる。とにかくしゃべる。 わたしの姉も従姉妹の姉の方も大病をしていて、両方が揃う のは、久しぶりだった。 妹同士は、そんな姉達を見ながら、ちょっとうれしかった。 姉は、くも膜下出血を2回起こしていて脳の手術も2回して いるし、腎臓にも障害が出て人工透析している。 従姉妹の姉の方は、多発性筋炎という難病で長期入院を経験 している。 姉達だけがなぜこんなにも辛い思いをするのかと、妹同士は ずっとせつない気持ちでいたのだ。 今度の旅行、無事にみんなで行けるといいなぁ。
仲の良い姉達を見る二人には同じ思いの数年がある(市屋千鶴)
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