2005年07月07日(木) |
「ミリオン・ダラー・ベイビー」 |
期待度 ★★★★☆ 満足度 ★★☆☆☆
けっして悪い映画ではないと思います。きっといい映画なんだろうけれど、どうもクリント・イーストウッドの美意識とは肌が合わないみたいです。価値観じゃなくて、美意識。 ラストが気に入らないわけじゃない。でも、そのラストに至る過程というかがすっきりしないというか。描き方に違和感を感じるというか。これはもう、彼とは美意識が合わないとしか言いようがないと思います。 このずれに対して異質感を感じてしまって、映画のストーリーそのもの感動できませんでした。 「モ・クシュラ」の種明かしもあそこまで引き延ばすか? あんなタイミングで言うか? 見ている人の大抵はもっと前の段階でおおよその意味を悟っているだろうに。 悪くはないと思うけれど、たぶん、いいのだろうけれど、どうもすっきりしない。 あなたの苦悩はわかるけれど、苦悩しているのはあなただけじゃないでしょ? そう言いたくなってしまう。モーガン・フリーマンという「他にも苦悩を知っている者」を出していやみ感を和らげているというあたりも、あからさますぎな感があってまんじりとしない。
ただ、「さあ、俺の美意識に酔いしれな」的な感じはなく、とても誠実に描こうとしているように感じられて、合わないながらも好感度は高かったです。で、★2つがついております。
いろいろと苦労を重ねて成功をつかむ話だと思っていましたが、前半のあまりの調子のよさにこれは違うと気が付きました。 あのタイトル戦、いやだったのよね。絶対なにかあるってわかるから(こういうあからさまなところも、すっきりしないんだけど)。 そうそう、あのチャンピオン、本物のボクサーさんなんですってね。あの目つき、本気で怖かった。試合の前に相手にのまれちゃいけない、そう自分に言い聞かせても(って、あんたが戦うわけじゃないでしょ? 笑)、逃げ出したいほど怖かったです。いやぁ、すごいね。でも、スクリーンの相手に飲まれたことは正直くやしい。もっと修行をせねば、、、
わたしはもっと素直なら、感動できた映画だったと思います。 ボクシングが好きではないというところも大きいかも。
そういえば「ミスティック・リバー」もクリント・イーストウッドか……やっぱり、合わないかも。
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