2005年06月18日(土) |
「オペレッタ狸御殿」 |
期待度 ★★★★☆ 満足度 うーん
なんというか、すごいというか不思議というか、ヘンな映画でした。 一見、舞台の映画化のようですが、普通、舞台の映画化といえば、舞台向けの演出をどう映画(リアル)に近づけるかというものなのに対し、これは映画をどれだけ舞台に近づけられるかということに挑戦しているような。始まり方も思いっきりオペレッタ風だし、演出・美術すべてにおいて舞台風。 それでいながら、映画でしか行えないような映像技術ももりだくさん。美空ひばりのデジタル出演なんてその頂点だと思います。
内容そのものはね、お子さま向け「お殿様と狸のお姫様」という昔話のようで、きっとどうでもいいんだと思うんです(よくないか? 笑)。チャン・ツィイの笑顔のアップがやたらとポートレート的で、きっと、この監督さん、チャン・ツィイのことがかわいくてしかたがないんだなって思いました。なんとなく、色気ぼけじじぃの執念みたいなものを感じてしまったのは、たぶん失礼って奴ですよね、、、 見る前は「ぐわははは、こりゃ、とんでもない映画だわ〜」と大笑いするような映画かなと期待していたのですが、けっこうまとまっていて、ちょっと残念。わたしの好み的にはもっとはちゃめちゃにやって欲しかったかな(普通の映画が好きな人には十分はちゃめちゃかもしれませんが)。 ストーリーを楽しむというより、演出の仕方にずっと感心していました。よくもまあ、あれだけの演出を考えて、それを見事に映像化したこと。 ま、正直なところ、演出に感心するだけにしては2時間は長く、途中かなりあくびを連発しちゃいましたけど。問答無用で観客を巻き込むほどのオペレッタ・パワーは、残念ながらなかったな。
ヘンな映画なのですが、この映画は監督さんがこういうふうに作りたいとイメージして作られていると感じます。作る前に監督さんがイメージしたそのまんまの映画なんじゃないのかな。なんとなく、そう思いました。目指したことがどんなものであれ、目指したとおりに映画を作り上げることができるというのはすごい。 一見安っぽい演出だけど、そのじつ、かなりしっかりと計算され尽くされた演出なんじゃないのかな……わたし、狸に化かされてる?(^^; 主役のお二人、チャン・ツィイとオダギリ・ジョーの演技が素人っぽくって、それがこの映画の雰囲気にぴったりでした。他の出演者の演技過剰なあたりもとても舞台的。いや、なかなか貴重な体験をさせていただきました(眠かったけど)。
かなり、好みが別れそうです。鑑賞中、いびきが聞こえました(笑)。上映中に携帯が鳴ったおじさま(切ってください!)はそのまま帰ってきませんでした。この映画の最大の欠点は、話が面白くないことだろうな(^^;
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