「隙 間」

2011年01月15日(土) 「こっちへお入り」

平安寿子著「こっちへお入り」

はっきりもすっきりもしない、いまいちな三十路の独身中堅OLの江利が、ひょんなことから素人落語教室に通いだすことに。

すると。

気付かないうちに、ハマるハマる。
見事なくらい。

「秋風亭子よし」と名乗り、目指せ発表会。

おっと。
ただいまわたしは、上野広小路亭の前で、信号待ちをしているところである。

青に変わった。
さあ進もう。

落語の入門編である「寿毛無」をなんとかやりきり、向上心に火がつく。

次のネタを早く習いたい。
すっかりそれまでのうやむやな気持ちはどこへやら。

わたしも鈴本演芸場をすっかり通り越してしまっていた。

先生である楽笑は、本職はサラリーマン。
しかし、侮れない。

二足のわらじだからこそ、できることがある。

有名な話、咄家が、もちろん折々に出てくる。

やはり出てきた。

桂枝雀

ちょいと機会があって知っていたわたしは、扇子でピシリとおでこをはたきたい気持ちになる。

おっと、いただいた立派な京扇子は、そんなことに使わないのでご安心いただきたい。

さて。

そんなこんなで、色々な話の登場人物の人情や心情を想像したり気付かされたり、落語とは人生勉強である。

登場人物のそれぞれの心情を理解しなくては、とてもじゃないが話すことなどできない。

逆に言えば、話のなかに様々な文化や時代や男や女や、学ぶこと知ること考えることが、ちりばめられているのである。

しかも、同じ話のはずなのに、咄家によって印象やメッセージが、違ってくる。

悲恋の涙の物語で、というのもあれば、それを、あっけらかん、と吹き飛ばして痛快な物語で結ぶ、というなど。

とにかく、これはぜひ、落語に触れてみたいと思ってしまう。

「こっちへお入り」

はいはい、ちょいと失礼させていただきます。

と。


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