「瞳の奥の秘密」
をギンレイにて。 アルゼンチンが舞台の物語である。
二十五年前の未解決だった事件を、定年を迎えた元検事が小説にしようと再び追い掛ける。
元上司の現判事である、かつて想いを密かに抱き合った女性と。
そして自分は二十五年前のまま、囚われていたその過去から、事件の真実と自身の本心と、向き合ってゆくことになる。
妻を暴行殺人で亡くしたモレイラ氏。 エリートの美人検事イレーネの下で担当することになったエスポシトは、アル中の同僚パブロと、独断で調査を進めてゆく。
やがて犯人を捕えるも、ライバルの政治的圧力ですぐに釈放されてしまう。
そして、パブロはエスポシトの自宅で、彼本人と間違えられて殺されてしまう。
おそらくライバルの検事に雇われたゴロツキらの手によるものだと察知し、身の危険を感じたエスポシトは地方の安全なところへと逃れ、そうして今を迎える。
パブロが、いい。
アル中でどうしようもないが、殺される直前。
「お前がエスポシトか」
とゴロツキらに確認されたとき、エスポシトの写っている写真立てを伏せ、そうしてから、
「ああ、そうだが」
と答える。
迷惑ばかりかけ、妻にもとっくに愛想を尽かされ、それでもどうしようもない自分がせめて友のためになるならば、と。
このパブロ。 容姿が巨匠ウディ・アレンにどことなく似ていて、だから抜群に役にはまっているのである。
しかし作中、サッカーの試合中のスタジアムの場面がちあるのだが。
実況放送のアナウンサーが「ディアスがシュート!」と叫ぶ。
年代が違うのはわかっているが、かつて横浜マリノスに在籍していたディアスを思い出してしまった。
余談である。
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