「隙 間」

2010年10月11日(月) 「春との旅」

「春との旅」

をギンレイにて。

仲台達也、徳永えり主演。
北のかつてはニシン漁で賑わったが、今はすっかり寂れた街。
祖父と二人きりで暮らしていた孫娘の春。

祖父がある日、突然家を飛び出した。

「俺は兄弟のどこかに居候をさしてもらう。春、おめえは自分の生きてぇように生きろ」

春が勤めていた学校の給食センターが廃校になり、職を失っていた。

飛び出した祖父の後を追い、一緒に春にとっての叔父叔母らのもとを訪ね歩く。

しかしどこも誰も受け入れてくれるような余裕がない。

なんせ、祖父は偏屈で勝手で、兄弟らとの仲は疎遠で、決してよい間でもなかったのである。

同行してゆくうちに、春は別れたままの父に、会いたくなる。

春の母は、父との離婚が原因で自らの命を断ってしまったのであった。

「ひとは、どうすればつぐなえるの?」

離婚の原因は、母の浮気だった。だから父は悪くない。だけど父は許してくれず、出ていってしまった。

お前の父ちゃんは、家と別れてまでして、母ちゃんと一緒になってくれた、いいヤツなんだ。

わかってる。わかってるよ。だけど。

この作品に、悪い人間などひとりも出てこない。

春との旅は、美しい北の風景の中、どこにたどり着くことができるのだろうか。



この作品。
感動するのは、その役者の演技において、である。

仲台達也はもちろんだが、春を演じている徳永えりが、抜群である。

猫背でがにまたで、垢抜けない意地っぱりさ加減が絶妙な女・春を見事に演じている。

さて。

実は甘木資格学校の担当者とお会いして、お話をすることがあったのである。

仕事の為かけてきているとはいえ、この数年間ずっとわたしは居留守で通してきていたのであった。

毎週末の講習時間は、丸々半日、座りっぱなしのものである。
予習や復習の課題も毎週で、それはつまり当たり前のことで何の大変さも必要でない、普通のことである。

さあ。
この半年を振り返り、それはわたしには到底ムツカシイことなのである。

夜は仕事がなんとか、あとはぼおっと。
覚えるとか記憶するとか、昨日のことか先週のことか、前後も確か不確かもあやふやになってしまうわたしである。

講習も決まった時間にゆけるかどうか、いっても時間内を起きて過ごせる保障は皆無である。

そこに一年だ二年だと限って金を出して通うなど、もったいない。

「それはご本人の気持ちの問題ですから」

頑張って頂きたいのです、との彼に。

「言い訳と思って聞いてください」

と鳴子のことを持ち出して、やっと納得堪忍してもらったのである。

これで再三の電話もなくなるだろう。

しかし。

ひとと同じ生活をしてゆくには、常に誰しもが努力を必要とする。

その努力が、ひとよりもさらにちょっとだけ、必要なだけである。

出来ません。
やれません。

ではなく、せめて、

出来ませんでした。
やれませんでした。

という、せめて一歩前に出た言葉を、口にしてゆきたいものである。

季節の変わり目に、また同時に、あらがう術ない波の訪れの気配を感じつつ。


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