「隙 間」

2010年10月10日(日) 行け、ふくろう! 東京よさこい

「姫さまのぉ、おなぁ〜りぃ〜!」

巣鴨駅前。
このために、わたしはやってきたのである。

「池袋ふくろ祭り・東京よさこい」

池袋をメインに、目白駅から巣鴨駅まで各駅前に競演場が設けられた一大祭り。

「乱舞姫」の決め口上が聞きたい。

ただそれだけがため、でさえ構わない。

「姫さまの言うことはぁ〜」
「ぜったぁ〜いっ!」

この気持ちの高揚を「萌え」というのだろうか。

「乱舞姫」とはよさこいの「連(チーム)」であり、「姫さま」とはこの連の象徴であり実在しない存在、いや「乱舞姫」そのものを指している。

姫さまの好きなものは「お酒」と「踊り」

うむ。
なかなかチャーミングな姫さまである。

昨日土曜の前夜祭は、滝のような雨の中、雨か汗かわからぬ飛沫を舞い散らし、

雨よ晴れよ!

と参加連皆が舞い踊ったという。

わたしは。

またも夕方まで、再起不能、であった。

であるから、本祭の今日こそは、と意地である。

姫さまの前にひれ伏し、酔いしれ、さあ本会場の池袋へ。

駅の改札をくぐろうと人波について行くと、前にも後ろにも、

「乱舞姫」

である。
池袋に向かう道中、一緒の車両に乗っての移動である。

母に連れられた小さな女の子が、すっかり「姫さま」の舞いに虜になったのか、母を差し置いて姉さまがたの後に着いていってしまう。

「もうちょっと大きくなったら、一緒に踊ろうね」

頭をやさしく撫で返す姉さま。

どこかで観た光景。

映画「君が踊る、夏」とまったく同じである。

女の子にとって、その姉さまは「憧れの姫さま」となったに違いない。

さて。

「フクロウよ、わたしは帰って来た!」

池袋駅西口を出て、わたしはひそかに、叫んだ。

そもそもわたしが初めて「よさこい」を知ったのが、この「ふくろ祭り・東京よさこい」だったのである。

あれからかれこれ六、七年くらい経つ。

寂しいのは、
ひとりでいることではなく、
ひとりになることなんだ。

篠原美也子の詞は、やはりまだまだ、ジンと響く。

もとい。

思い出したのである。

なぜ、わたしはこの「東京よさこい」に来なくなったのか。

当時は初めての感動に、もちろん来年も、という気持ちと同時に。

非常に観づらい。
いや見えない。
なんとかしろ。

との気持ちも抱いていたのである。

池袋西口広場に競演場を設けている。
それは精一杯の素晴らしい設営である。

しかし、観覧ができる場所が、混雑したたった数メートルほどの幅しかないのである。

駅前会場だけかもしれないが、まったく、見えない。

違う会場に行けばよいのだが、観たい連の演舞が、ここしか残っていないのである。

お目当ては、

「音ら韻」
「朝霞翔舞」
「国士舞双」
「早稲田大学踊り侍」

らである。

まったく見えないよりも、豆粒でも見える位置を見つける。

やはり、うまいかどうかは、すぐにわかる。

鳴子が小気味よく、揃って鳴り響いているか。

踊り子が、笑顔で、楽しんでいる精一杯の顔で踊っているか。

老若男女は関係ない。
それができている連が、やはり素晴らしいのである。

今回またあたらしくお気に入りの連を見つけてしまった。

「銀輪舞隊」
「凌-りょう-」

などである。

そして、埼玉のよさこいは、皆上手いように思える。

鳴子は池袋の夜の街に、軽快に鳴り響く。


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