「君が踊る、夏」
今月九月十一日から全国公開される同名映画を、脚本を元に木俣冬が小説化したものである。
主演・溝端淳平、木南晴夏、五十嵐隼士、主題歌を東方神起が歌っている。
高校を卒業し、地元高知を出て東京にゆくことを決めた新平と、一緒にゆこうと約束し会った恋人の香織。
しかし香織は新平との約束を守らず、新平ひとりを東京へゆかせる。
擦れ違ったままの四年が過ぎ、久しぶりの帰郷。
そして再会。
香織の妹さくらの難病を知る。
そして新平が忘れていた、さくらとの約束。
「一緒に、よさこいを踊ろうな!」
さくらの余命五年のうち四年が過ぎようとする最後の夏。
香織とさくらと、新平の夢と、「いちむじん」な一番暑い夏。
どうか是非、映画や映像で観ていただきたい。
……。
小説としての物語に、ではないところで感動して、危うく雄叫びをあげそうになったのである。
今年高知のよさこい祭りで優勝し、東京のスーパーよさこいでも特別賞をもらった高知の「ほにや」が全面協力したよさこいの、踊りや衣装は、冗談でもごますりでもなく、「美しく、小気味よく」、観るものを感動させる。
作品中に出てくるよさこいの曲「夢 羅針盤」は昨年の「ほにや」が実際に使用し、踊っていたものである。
よさこいの踊りに使用する曲は、チームごとに自由、なのである。ただし「よさこい節」の一節を、どこかに入れる。
であるから、ひとつとて同じ曲で踊っているチームはないのである。
であるから、観ているものは、聴いていてもまた、楽しいのである。
映画「眉山」のクライマックスで、見事な阿波おどりのシーンが撮られているが。
よさこいの踊りは、自由なだけに爽快にて壮麗。
映像として、いったいどれだけの魅力を撮ることができているのか、劇場で確かめたいところである。
しかしおそらく、上映されている映像よりも、生で観たあの有無をいわせない、高知や原宿で体感したものが脳裏で踊りまくり、それによって涙と鳥肌をおさえることができないようになってしまうだろう。
それもまた一興、かもしれない。
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