「隙 間」

2010年06月06日(日) 「(500)日のサマー」

「(500)日のサマー」

をギンレイにて。

運命や偶然を信じるトムは、それを信じないサマーに恋をする。

サマーと出会ってからの「500日」の物語である。

最初に言っておこう。

作中の冒頭にナレーションが断っているように、この作品は「恋物語」では、ない。

単純で浮き沈みの激しい「男」という生き物に捧ぐ、エール、である。

とかく、気楽に楽しい作品である。

トム役のジョセフ・ゴードン=レビットが、なんとも愛嬌、好感が持てる。

まるで、マイケル・J・フォックスのようなのである。

眉をしかめると、レオナルド・デカプリオにも見えるが、二枚目までは感じさせない絶妙な存在なのである。

メッセージ・カード会社でコピーを考える仕事をしているのだが、夢は「建築家」だったトム。

サマーに打ち明け、やがてその夢をかなえようと奮起するのである。

街を眺めては、建物の設計者やデザインに目をとめ、スケッチブックにデッサンしてみたりする。

わたしもかつては、その道具だけ常に鞄に持ち歩いていたときもあったのである。

しかしそれはすぐに、今のメモ帳と三色ボールペンに成り代わってしまったのではあるが。

本作に、皮肉な発見をしてしまった。

現在、設計業界・建築業界で推し進められているBIM、3Dモデル化においてアメリカで主要なソフトとして扱われているのが、ある。

オートデスク社の「Revit Architecture」である。
「Architect(建築家)」を目指すトム役が、ゴードン=「レビット(Revitt)」なのである。

これはこじつけだが、日々職場でレビットに振り回されているわたしにとっては、おいておけないところなのである。

話題の映画「アバター」のキャラクターのモデリングをしたのも、どうやらオートデスク社のモデリングソフトらしい。

先のオートデスク社主催の講演会の結果、どうやら我々は「Architect」ではなく「Creator」化してゆく気配が感じられるのである。

いや、もしくは、「Creator」が「Architect」になる社会なのかもしれない。

「DTP」というのが現在そうなっているように。

「個」の可能性が、まさに無限を秘める社会。
逆をいえば、「個」に「全」が左右されうる社会。

明日がわからぬ社会の明日を生きてゆくのなら、「全」の中でも確固とした「個」で生きねばならない。

油断や惰性で生きられても、社会では活きられないのである。


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