「隙 間」

2010年04月11日(日) 「ジュリー&ジュリア」SKEと熱

甘木ちゃぁあん、こっち向いてぇ!

水道橋はラクーアを近道で通り抜けようとしたときであった。

屋外ステージの周りと、二階のデッキ通路に、十重二十重の人だかりが。

興味本位で背伸びして見てみると、きらきらした制服姿の女子たちが、ちらりと見えたのである。

「SKE48全国握手会」

なるものが催されていたのである。

秋元康氏プロデュースの女子アイドルグループである。

名古屋は栄(SaKaE)を本拠地に活動し、先のもはや全国区のアイドルグループとなったAKB48(秋葉原AKiBaが本拠地)の妹分でもある。

とはいえ、わたしもいまいち顔と名前をわかっているわけではない。

であるから、先の「甘木ちゃぁあん」というのは、「某」という字をふたつにわけただけの、つまり「なにがしちゃん」という当て字である。

甘木ちゃんに熱を集めるその人々の情熱に、羨ましさを覚えてしまうのである。

情熱にあてられ、そそとその場を去る。
ただあてられただけですましては、もったいないのである。

であるから、それですましてしまうはずもない。

もはや書き散らしっ放し状態になっているが、それにまたひとつが加わったのである。

後は野となれ山となれ、後のわたしがなんとかしてくれることであろう。

さて。

「ジュリー&ジュリア」

をギンレイにて。

メリル・ストリープ演じる料理研究家のジュリアの著作「王道のフランス料理」に載るレシピ五百数十を、一年間で全て作る、と決意したエイミー・アダムス演じるジュリー。

時間を超えたふたりのそれぞれの日々を、軽快に、愛らしく、描く。
まさに、

ボナペティ!
(召し上がれ!)

な作品である。

メリル・ストリープは、まさに素晴らしい女優である。

世代を飛び越え、恋してしまいそうなほどである。

しかし、エイミー・アダムスのジュリーだって、負けてはいない。

下拵えがレシピ通りにゆかず、キッチンで泣き崩れ、座り込む。

私は下拵えもろくにできない女なのよっ……。

夫がふとキッチンの彼女をみると、大の字に寝転び、ヒックヒックと涙を流している。

これはたまらない。

抱き起こして、ぎゅうっと、してやりたくなってしまう。

彼女は料理したことを逐一ブログに更新し、カウントダウンしているのである。

締め切りをつくらないと、私は中途半端にしてしまうから。

彼女はいわゆるアラサー(三十歳手前)であり、またフルタイムで働いているのである。
だから、自由な時間も、結婚生活も、犠牲にしつつやり遂げようとしているのであった。

これはつまり、夫の協力と愛がなくては成し得ないのである。

もちろん、これで夫婦が衝突してしまうことも、ある。

何のために、
誰のために、
始めたのか。

本を出そうと決めたジュリアと、
料理をしようと決めたジュリーの、

ふたりそれぞれ、いったいどうなるのか。

この作品は、ついつい自分も料理をしたくなる気持ちにさせられる作品である。

料理ではないが、わたしも同じであり、いったい何をどれだけ犠牲にしているのか疑問な点も、最近は多々あるのである。

それではいけない。
ジュリアの決め台詞であるところのまさに、

ボーン・ア・ペティ!

である。


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