| 2009年10月19日(月) |
「新釈走れメロス他四篇」 |
森見登美彦著「新釈走れメロス他四篇」
呆れてしまうほどに、森見登美彦世界が展開されている。
お、オモチロイ……。
文学史上名作と語り継がれてきた作品たちを、現代京都を舞台に書き直している。
表題作の「走れメロス」なぞ、傑作である。
日没までに戻らねば、無二の親友が学園祭で詰めかけた衆人観衆の面前で、ドナドナの音楽に合わせて桃色ブリーフ一丁で踊りを披露させられる。
「ヤツは約束など守らん。それでこそヤツが俺の親友たるゆえんだ」
と、勝手に人質にされた親友は落ち着いた様子で断固と語る。
「約束通りに戻ってたまるか。戻ってしまったら、ヤツの信頼を裏切ってしまう。逃げ延びてやるっ」
なんだかヘンな気がしないでもないが、なるほど、頑張れっ、と胸熱く鼓動激しく脈高鳴らせて応援したくなってしまうのである。
愉快痛快。
原作を知らずとも、十分に滑稽で楽しめる作品である。
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