「隙 間」

2009年08月30日(日) スーパーよさこい2009

目が覚めると祭り囃子が聞こえてきた。

諏方神社の大祭で御輿が前の道を通っていたのである。

やはり今日は、赤坂でブレークスルーに挑戦するのではなく、日本の祭りに興じようということにした。

昨日は朝からかなり長丁場で動いていたものだから、今日は無理せずにゆこう。

「スーパーよさこい2009」

に、行ってきた。
やはり原宿駅ステージが、一番熱い。
表参道の通りの一部や代々木公園内や明治神宮内やらの各地にステージが設けられているのだが、ここがわたしにとってはメインのステージに決めてある。

全国からおよそ九十チームが集まり、披露するのである。

予定表と団扇を係員からもらい、まずは腹ごしらえに、物産館やらの「じまん市」らがある方へ向かう。

「お好みもんじゃ」なるお好み焼きをもんじゃ焼き風にやわらかくまとめたものの見た目と香りに捕らわれ、まずはそれをいただく。

とにかく熱かった。
もんじゃ焼きのように、とろうり、とキャベツやなにやらをくるんでいて、はふはふいいながらペロリと平らげてしまう。

熱くなった口を冷まそうと、北海道岩瀬牧場の店にて「ホルスタイン・ソフトクリーム」を所望する。

もう少し、濃ゆい味や食感でもよかったのだが、そう思ったときには、既に跡形もなくなっていたので、うまかった、ということなのだろう。

すっかりこってりとなってしまった口の中を、あっさりさせたい。

こってりさせていた最中に、目のはしにチラチラと入っていた緑色の棒のものがあった。

きうりの一本漬けに違いない。

そうふんだわたしは、物産館をはしから順に追いかけてみることにしたのである。

見つけた。

カップに賽の目にカットされたメロンやらの脇に、氷の山に刺されたり寝かされたりしているきうりの一本刺しが。

メロンやらには目もくれず、つかつかときうりに近づいたわたしに店の兄さんは、きうりですか、といちいち確かめる。

「きうりです。一本、ください」

きうり一本ですか、と、ややためらいながら言い惑い、一本なんですがじつは、

「もう一本ついてくるんです」

いや、一本でいいんです、とわたしは拒もうとしたが、それも聞き分けがないように思えて、それなら、とうなずく。

わたしは河童ではない。
しかし、きうりは好きなほうである。

サクッ、シャクシャクしゃく。

と一本ずつかじりながら、メインの原宿駅ステージへと戻る。

途中、ロカビリーに合わせて踊っている一団と会い、それを珍しそうにビデオに撮っている外国人の姿を見る。

そのとき、インド舞踊かと見紛う色気たっぷりの衣装の踊り子たちがそこを通り、カメラも一斉にそちらに奪われる。

鳴子を手にしているので、これから原宿駅ステージへ向かう途中なのだろう。

各チームの踊りはもちろん、衣装もまた見所なのである。

「かなばる」というチームであった。
高知のよさこいとトリニダード・トバゴのカーニバルを融合させた、という。

これは、すごい。
レゲエの仕草が、色気だけでなく、コミカルに、絶妙なものとなっている。

次に惹かれたのは、

「上町よさこい鳴子連」である。
よさこい祭りがはじまって以来五十余年の歴史あるチームの子どもたちチーム。
銀賞をとったらしいのだが、ここはまた、反則的なほどの強力な技を有していた。

合間合間に、リーダーが声をかける。

「よさこい……」

すると踊り子たち(まさに小学生以下がほとんど)が片足をつま先立てて、

「大好きぃ〜」

と横におじぎをするように皆が一斉に答えるのである。

「見に来てくれるお客さんがぁ〜」
「大好きぃ〜」

「だいしゅきぃ〜」と、客のほうからも合わせて声があがる。

わたしは、必死に、口元をへの字に引き結び、こらえた。
しかし、目元はおろそかにならざるをえなく、すっかりまるっきり、だらしなく、垂れ下がってしまっていたのは否めない。

とにかく。
できることなら、朝から晩まで、全チームの演舞を観ていたくなる。

本場高知や北海道の「よさこい」やら「よさこいソーラン」やらを目の当たりにしたら、どうなってしまうのだろう。

街全体が、これに満ち溢れているなんて、わたしは帰って来られなくなるやもしれない。

あいにくの雨に水を差されたりもしたが、今年も感動を与えてもらった。

来年また、楽しみにしていよう。

鯨の串カツをいただきながら、思ったのである。


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