| 2009年07月05日(日) |
「エレジー」最も素晴らしき女優 |
「エレジー」
をギンレイにて。
大学教授のデビッドは教え子のコンスエラに、一目で心を奪われてしまう。 歳の差は三十以上もある。 しかしふたりは二年の間互いに愛し合い、コンスエラはデビッドに
「家族に会って欲しい」
と、彼女の修士卒業祝賀を兼ねたパーティーにきてくれるよう懇願するが、不慮の事故も重なり、デビッドは結局パーティーにゆくことはせず、ふたりは別れてしまう。
「私の人生の大事な節目を、あなたにも一緒に祝って欲しかった」
留守電に残された彼女の伝言。
二年後の大晦日、突然コンスエラがデビッドの前に現れる。
「あなたは、一番、わたしとわたしのからだを愛してくれた」
乳癌に冒され、手術を目前に控えたコンスエラは、デビッドにお願いをする。
「医者に壊されてしまう前に――」 「……誰も壊したり壊されたりなんかしない」
デビッドがコンスエラに出会って、最初にかけた言葉。
「君は、ゴヤのマハに似ている。とても美しい」
デビッドは涙をこらえながら、マハをシャッターにおさめる。
老いてゆく男。 病に冒されてゆく女。
「全部とられちゃったけど、愛してくれる?」 「ずっと。そばにいる――」
コンスエラを演じたペネロペ・クルス。 彼女は、まさに美しい。
ほかにいったいどれだけの女優がいるか、見識の乏しいわたしではあるが、もっとも美しく、素晴らしい女優である。
かつて日本人男性がこぞって「心奪われた」女優――オードリー・ヘプバーンの若かりし頃の姿にも似ている。
しかしそれだけではない。
艶、色、熱、強かさ……らを、纏っている。
とにかく。 素晴らしい女優である。
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