「隙 間」

2009年05月23日(土) 「バンク・ジョブ」「御馳走帖」

「バンク・ジョブ」

をギンレイにて。

ロンドン市内の甘木、いや某銀行の貸金庫強奪計画を持ちかけられ、そして手に入れてしまった「英国王室のスキャンダル写真」と、おまけに、ロンドン市警内部の賄賂台帳。
それらをめぐって、三者くんずほぐれつの駆け引きを繰り広げる。

某ハリウッド作品のど派手な駆け引きの演出なんて、暑苦しいだけです。

この作品は、実際の事件を元に作られた物語、という風合いもあるせいか、いや、まあ、とにかく、

クール

なんです。
土臭いのだけれど、洒落てるんです。
よっぽど、よい作品なんです。

さて、

内田百ケン著「御馳走帖」

百ケン先生の、食にまつわる様々な随筆集。
まつわる、だから、何を食べた、だとか、思い出、だとか、憤懣、だとか、どうでもいいことだとかが、びっしりです。
郷里岡山の子供の頃の記憶と東京でのギャップだったり、こだわりだったり、もう好き放題です。

百ケン先生に、わたしはどうしてなかなか、共感してしまいます。

お金がなくて、出先で通りかかったライスカレー(だったか?)の安い店の前をうろうろと、

帰りの車代をまわしてこれを食すか。
歩いて疲れる我慢は後ほど我慢すればよい。しかし今の、ライスカレーを食したい気持ちを我慢するのは耐え難い。

そう悩んで、食した後に、

我慢と引き換えになるほどの美味さではなかった。
しかしだからといって、お代を払わないわけにはゆかない。

と悔しがったりするのです。

わたしもかつての話ですが、似たような話があります。

食事後、帰りの時間までひととき、というところで「プリンが食いたい」衝動が湧き上がり、当時の連れをまさに連れまわし歩いたのですが、時間も遅く店は見つかりませんでした。
「コージーコーナー」をようやく見つけて連れが「よかったあ」と胸をなでおろし、棒になった足をもみほぐしたところを、

「いや、プッチンプリン、が食いたい」

断固拒否のわたしに、とうとう頭頂から湯気をたて、口をへの字にぴたりと閉ざし、みごとなおかんむりに、連れは変貌をとげたのです。

コンビニもスーパーもあたりにはなく、わたしも半ば意地になっていたところもあります。

おかんむりのお大尽を送り、ようやく手にした「待望」のプッチンプリンを口にしたとき、まさに、百ケン先生の心境に近かったに違いありません。

カラメルがほんのり、苦かった思い出です。


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