朝倉かすみ著「肝、焼ける」
なんて素晴らしいっ。 これほど、爽快、痛快、それとも違う、大声で叫びたくなる衝動に駆られた作品は、久しぶりです。
頬が、ゆるゆる、うずうず、してしまっています。
不忍池の弁天様に、見せびらかして、ひけらかして、自慢して、ヤキモチを妬かせたくなります。
登場人物が、とにかく魅力的で、いや、圧倒的に魅力的なわけではなく、だからこそ魅力的で、愛しくて、おかしくて、危うげで、どうしようもなく、読まされてしまうのです。
ヤラレタ感がまんさいです。
満載、で、満才、で。
嫉妬してしまいました。 いや、しています。
わかってはいるけれど、結局、ただ柳の下をうろついているだけ、うろつきもせず三角座りしてぼうっと眺めているだけ、にしか過ぎてないのかもしれない、と深くうなだれさせられてしまいます。
押さえつけてるその手は、まごうことなき、己の手です。
しのごのいって、やらずにやれないやられたとぬかすより、やってやれてないまだまだやれるとほざくのが、なんぼかましです。
無謀と勇気は違います。 勇気なんてものは、とんと持ち合わせた覚えはありません。 しかし、勇気を出せるほど、余裕なんか、ありませんでした。
ならば、無謀を通して、道理を引っ込めてやりましょう。
道理の世界で無理がたたるのだから、しかたあんめえ、てなところです。
かたなしです。 そしてわたしは、なで肩です。
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