昨夜、久方ぶりに超短編作品を書いてみた。
じつは、今回をもって最終回となる、とのお知らせが先月届いてから、よしきちんと書いて応募しよう、と思っていたのだった。
思っていたまま、ひと月が過ぎていったのである。
月日が百代の過客にしてあるならば、足音くらいはたてて欲しいものである。 足音もなしとは、サンマの塩焼きを七輪から掠めとろうとする野良猫のようである。
猫の話は本筋とは無関係なので、元に戻そう。
さて締め切りは深夜零時まで。 たかがのたかをくくって高楊枝でいるわけにはゆかない。
いくつかの断片は、寝かせてある。 寝かせたままであったのを、枕をひっくり返して目覚めさせる。
寝ぼけ顔がつらつらとがんくび並べて、隙あらばまた布団に戻ろうとするものもいる。
寝起きの顔は、どれもはっきりしない。 皆、それぞれのだらしない顔でのっぺりしている。
だらしなくのっぺりしているのだから締まりがない。
締まらないまま、それらの頭を並べてゆくのだけれど、締まらないくせにまぶたを閉めようとする輩ばかりが目立つ。
たかがの短い間くらい、こらえさせる。
しかしまるでモグラ叩きである。 こちらかと思いきや、あちら。さらに、あちらのついででそちらまで、といった具合で収拾がつかない。
これは、といったやつの首根っこをつかむ。
ふみゃあ。
子猫のようなやわらかい声をあげても、子猫でも、まして猫でもないことはわかっている。 しかしあくまでも子猫で通すつもりらしい。
爪を肉球に隠すことを覚えておらぬその前足をやたら振り回し、カリカリとところかまわずかき乱そうとする。
肉球はなかなか好きなものでもあるが、それより先に、やもすれば不本意にこちらが折ってしまいそうになるかあいらしい爪がじゃまをする。
しかし、乱されるまえに、すでに机の上はとっちらかっていたのである。
書き散らした紙切れを、かき集めたりより分けたり、丸めたり貼り合わせたりする。 こちらとそちらとあちらとどちらを角突き合わせてみたりするうちに、体躯ばかりが膨れ上がってゆく。 よくみると、頭がふたつあったり手が三本に足が一本ついてたりする。三本ある手もすべてが左手で、えらく使い悪そうだったりする。
そんなキマイラを、なるたけ雑種同士を交配させたていのものに毛繕いさせる。
そんな毛繕いをどうにかさせたものを、勝手を承知で品評してもらおうと、急ぎ優しき友人らに送りつけてみる。
やはり鋭い目には敵わない。
頭や左手の数や、その正体に関して、だまされることなく、ズバリと化けの皮を指し示していただいた。
この場をかりて、深く、感謝したい。
本番の品評会の正式な通達はまた後日、沙汰があったならばご報告させていただきたいと思う。
濡れそぼる肩を傘の下で丸め歩く穀雨の夜に。
――多謝。
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