「隙 間」

2009年04月04日(土) 「闇の子供たち」

「闇の子供たち」

 をギンレイにて。
 宮崎あおい主演、梁石日の同名作品を映画化した衝撃的な作品である。

 原作はすでに読んである。

 タイの児童売春と違法臓器移植をテーマとした作品であり、

「我が国を侮辱している」

 と、タイでは上映禁止とされたらしい。

 なるほど、ショッキングさは表現しようとされているが、伝えきれていない。
 原作を読んでいないと、なぜそうなったのか、なぜそうなのか、がわからない。

 原作を是非、ご一読いただきたい。

 いや。

 こころやさしきひとは、やはり読まずに避けておいてもらいたい。

 生活に苦しい家が、我が子を売る。
 手にした金で、カラーテレビを買う。
 子供は児童性愛者の玩具として仕込まれ、売られる。
 気に入られれば、養子として、この地獄から連れ出してもらえる。
 しかし、それはまた地獄の続きなのかもしれない。
 それでも、不衛生で過酷で残酷な地獄に閉じ込められたままよりかは、よっぽどマシなのかもしれない。
 ホルモン剤を性交のために死ぬまで打たれることも、
 エイズに感染して、使いものにならない、と生きたままゴミ袋に詰められ、捨てられることも、
 袋を破って瀕死の状態で村の親の元に帰っても、ここにいてはいけない子として、エイズの感染を防ぐことも含めて、戸外の家畜小屋にひとり寝かされ閉じ込められ、やがて死を迎え、屍体に虫がたかるまで放置され、小屋ごと火をかけられることも、
 健康でいられても、臓器提供者として生きたまま、臓器を取り出され、それで死を迎えることも、

 どれも地獄なら、どれを選ぶか。

 我が子は臓器提供を受けなければ、半年も生きられない。
 だから、正規のルートで移植を待っていたら、それは我が子が死ぬのをじっと待つこととかわりはない。
 遠い国の見知らぬ子のために、目の前の我が子の命を、明日を、私たち家族の未来を諦めろというのか。

 あなたには、子どもがいますか。

 命の前の無力さ。
 社会の力の前での無力さ。

 己の、己自身の前での無力さ。

 話題作ではあるが、ヒット作にはならなかっただろうと思われる。

 ヒットしていたら、世界で少し、涙の量が減ってくれているはずだろう。


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