「闇の子供たち」
をギンレイにて。 宮崎あおい主演、梁石日の同名作品を映画化した衝撃的な作品である。
原作はすでに読んである。
タイの児童売春と違法臓器移植をテーマとした作品であり、
「我が国を侮辱している」
と、タイでは上映禁止とされたらしい。
なるほど、ショッキングさは表現しようとされているが、伝えきれていない。 原作を読んでいないと、なぜそうなったのか、なぜそうなのか、がわからない。
原作を是非、ご一読いただきたい。
いや。
こころやさしきひとは、やはり読まずに避けておいてもらいたい。
生活に苦しい家が、我が子を売る。 手にした金で、カラーテレビを買う。 子供は児童性愛者の玩具として仕込まれ、売られる。 気に入られれば、養子として、この地獄から連れ出してもらえる。 しかし、それはまた地獄の続きなのかもしれない。 それでも、不衛生で過酷で残酷な地獄に閉じ込められたままよりかは、よっぽどマシなのかもしれない。 ホルモン剤を性交のために死ぬまで打たれることも、 エイズに感染して、使いものにならない、と生きたままゴミ袋に詰められ、捨てられることも、 袋を破って瀕死の状態で村の親の元に帰っても、ここにいてはいけない子として、エイズの感染を防ぐことも含めて、戸外の家畜小屋にひとり寝かされ閉じ込められ、やがて死を迎え、屍体に虫がたかるまで放置され、小屋ごと火をかけられることも、 健康でいられても、臓器提供者として生きたまま、臓器を取り出され、それで死を迎えることも、
どれも地獄なら、どれを選ぶか。
我が子は臓器提供を受けなければ、半年も生きられない。 だから、正規のルートで移植を待っていたら、それは我が子が死ぬのをじっと待つこととかわりはない。 遠い国の見知らぬ子のために、目の前の我が子の命を、明日を、私たち家族の未来を諦めろというのか。
あなたには、子どもがいますか。
命の前の無力さ。 社会の力の前での無力さ。
己の、己自身の前での無力さ。
話題作ではあるが、ヒット作にはならなかっただろうと思われる。
ヒットしていたら、世界で少し、涙の量が減ってくれているはずだろう。
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