「隙 間」

2009年03月21日(土) サクラ咲く知事と「ブロークン・イングリッシュ」

 麗らかな春の休日。
 谷中散策に訪れる沢山の人々。
 今日、東京の桜開花宣言がでたらしい。
 そこで谷中霊園の様子を、ちとのぞいてみた。

 うむ。
 さすがにまだまだである。

 ここは開花すると、まさに見事な、

「桜のドーム」

 となる。
 そこを毎朝くぐり抜けてゆけるのは、なかなか得をした気分になれる。

 桜は後日、ゆるゆると花開いてゆく様を楽しむことにしよう。

 この谷中霊園。
 徳川慶喜公、横山大観らの墓があるだけでなく、幸田露伴著「五重塔」のモデルとなり、また心中放火事件で焼失してしまった五重塔跡がある。

 しかしそれだけではない。

 およそ二十年前。
 ソビエトのスパイが、秘密文書のやり取りに使用していたという木が、あるのだ。
 その木のウロに文書を隠し、中国側のスパイに渡していたらしい。
 どうしてなかなか、小説のような話であるが、事実である。

「ちじっ」

 三省堂にて、東国原英夫宮崎県知事のサイン会が行われていた。
 わたしはそのすぐ脇の文芸誌をあさりながら、目は誌面に、耳は知事とファンらの会話にダンボの耳である。

 東国原英夫著「決断力」
 好評発売中。

 この後に及んで文芸誌あさりとは、決して、応募期日が間に合いそうなものを探したのではない。

 審査員、受賞者らをみて、そしてついでに、締切期日をちらとみただけなのである。
 傾向と対策のためなのである。

 さてそのような目で見た話よりも、耳に入ってきた話である。

「ボク、たけし軍団に入りたいって、本気で親に言ったら怒られちゃったんです」

 学生のようだった。
 知事はもう、あはは、と笑うしかないようである。

 親に言ってからなるのではない。
 誰に言わずとも、誰に拒まれようとも、なる。

 べきものであるのだから、笑うしかない。

 無論、彼も冗談のひとつとして、知事に話してみただけのことであろうと思う。

 明日の東京マラソンに、知事も参加するのだろうか。

「東京オリンピックにかける費用を雇用対策に」

 との某党のチラシが入っていた。
 東京マラソンにせよ、その経済効果はとんでもなく、大きい。

 定額給付金など、ミジンコの爪垢にしかならない。

 諸問題が騒がれているが、オリンピックともなれば、桁がさらに大きく、効果範囲も広くなる。

 先国のように、その場限りですんでしまうようなことは、おそらくないだろう。

 目先のわかりやすい、具体的な「得」を餌に、人心を操るのは常套手段である。

 誰でもやる。
 誰にでもできる。
 まして、あげ足をとって否定するだけならば。

 己の身は傷つかない。
 傷つけない。
 傷ついてたまるか。

 そんなものは、誰も信用しない。

 やがては散る花だとしても、
 繰り返し咲く姿を望んで、
 つぼみを見上げる。

 散る気のない花は、
 美しいのだろうか。

 散るために咲くのではない。
 咲くために咲くのである。

 さて。

「ブロークン・イングリッシュ」

 をギンレイにて。

 惚れてまうやろぉっ!(Wエンジン)

 三十路を過ぎても結婚もいい彼氏もできないノラが、フランス人のジュリアンと友人のホームパーティーで、出会う。

 恋に落ちる。

 でも、臆病になってしまっているノラは、それを認めたくない、受け止めてしまいたくない。
 パリに帰らねばならないジュリアンが「いっしょにパリに来てくれ」と頼むのも、首を振ってしまう。
 しかし、ひとり残されたノラは、恋に落ちた自分をようやく認め、受け止め、パリに向かう。

 ところが。

 ジュリアンの連絡先を書いたメモを、お約束通りに、なくしてしまう。

 諦めて、やがて帰国しようと空港に向かう地下鉄で、お約束通りに、ジュリアンがノラに気づかずに同じ車両に乗り込んでくる。
 ためらいを飲み込んで、ジュリアンに声をかけるノラ。
 君が好きなのに連絡のひとつもくれなかった、と嘆くジュリアン。

 ぼくを探しにパリまで来てくれた。
 そして会うことができた。
 それなのに、きみは今、帰るために空港に向かうところだと、ぼくに言った。

 惚れてまうやろぉっ!笑

 よくわからん甘酸っぱさに、叫びそうになりました(汗)

 ジュリアンはもとからノラに惚れてるんですけどね。

 フランス語がしゃべれないし、わからないのに、会いにきてくれた。

 それだけで、もう。

 グッジョブ

 です。

 なんか、すべてを演出やら計算やらで考えてしまいがちです。

 わたし自身のことは、置いといて。
 宇宙の果てまで投げやっておいて。

 自分のわがままな思いや行動が、相手の望みに当てはまる。

 それが、いい。

 わがままじゃないそれは、ときに思いやりと名を変えるときもあるけれど、調べたり探ったりすれば、見知らぬ他人でもわかることだったりする。

 境目が、ムズカシイ。


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