「隙 間」

2009年02月28日(土) 「帰らない日々」

「帰らない日々」

 をギンレイにて。

 ひき逃げにより息子を失ったイーサンが、なかなかはかどらない警察の捜査や態度に業を煮やして頼った弁護士。
 彼が実はその犯人だった。

 家族で楽しい休日を過ごしたその帰り道。
 捕まえたホタルを「かわいそうだから、はなしてあげなさい」と母親が諭す。
 そのホタルを逃がそうとして、息子は道路向こうの茂みに、ひとりでいったそのときに、はねられた。

 検視の結果、死因がなんだったのかを聞いた父親は、母親にそれを話そうとしなかった。

 わたしがそんなことをいわなければ、息子はこんな目に合わなかった。

 犯人は、十年程度の実刑だろう、といわれる。

 たった十年で。

 ここで、「歩いても歩いても」の、樹木希林さん演じる母親のセリフが思い出される。

 長男は溺れかけた少年を救ったかわりに自分の命を失ってしまった。
 少年はそれから十年ちかく、毎年命日に線香をあげに訪れさせられていた。

 もういいじゃないか、と次男がいうと、

「たった十年で、忘れてもらっちゃ困るのよ。あの子の命と引き替えに、自分がいま生きているってことを」

 もとい、本作品の最後に、ついに犯人が弁護士だった証拠をつかみ、拳銃をネットで手に入れて復讐に向かう。

 弁護士は、罪の意識に耐えられず、離婚した妻が引き取っていた息子と、最後の日々を過ごそうとしていたところだった。

 揉み合い、拳銃を奪い取る。
 犯人は自分のこめかみに銃口をあて「死ねと命令してくれっ、死にたいんだっ」と叫ぶ。

 イーサンは、ふと立ち止まる。

 犯人が死ねばはれるのか。
 犯人を殺したらはれるのか。
 犯人を死なせたらはれるのか。

 亡くなった息子にとらわれていた彼。
 母親は立ち直りかけ、娘の世話でそれを感じさせずにいた。

 君は犯人を許せるのか。
 わたしが許せるはずがないでしょっ。でも残された娘の世話だってあるのよっ。



まあ、そんな作品です。


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