某公共事業団から、封書が届いた。
督促状か。 いや、料金は引き落としのはずである。
では、何ぞや?
ペーパーナイフで、つついてみる。 随分と、薄っぺらい。 振込用紙ともう一枚、くらいにちょうどよい感じである。
「公共事業団」という言葉を忘れていた。
徴収される心当たりはまったくないことを胸にたしかめ、ナイフを差す。
うむ。 なるほど、そういう用件か。
某文芸大賞への参加招待状であった。
他の受賞作を拝読するに、どれも皆、至極真面目で、物寂しさを湛え、切々としたものばかりであったことを記憶している。
三十枚までの世界を、ひとつ、こしらえてみるのも悪くない。
五月末であれば、それまでになにか年寄り絡みの話題が、湧いてきているだろう。
携帯のみで二十枚分だけ書いた作品の一部をわたし宛てに送ったのだが、どうにも恐ろしくて、開く気にならない。
携帯の画面は小さい。 前後が見えない。
プロットやメモやつぶやき程度なら問題はないのだが、本文ともなると勝手が変わってくる。
さて、いつ開こうか。
やはり、紙に手書き、がよいように思える。
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