| 2009年01月04日(日) |
「沼地のある森を抜けて」 |
梨木香歩著「沼地のある森を抜けて」
この作品は、ためらいなく手を伸ばした作品でした。 わたしは梨木を選ぶとき、いつも慎重に、においを嗅ぎ、指先ですくってひと舐めしてみてから、手にとるようなところがありました。 異文化に対するようなもの、なのかもしれません。
……よい作品でした。
読みやめるのが、いつも惜しく思えていました。
ぬか床と酵母と生物と生命と……。
宮本輝氏の人間讃歌と帯書きされた「輝ける大地」などよりも、この「沼地のある〜」を読むべし。
と、声を大にしたくなります。
専門知識云々の収集を好むなら前者を選ぶもやぶさかではありませんが。
この作品は、物語の構成上、若干村上春樹色を感じるところがあります。 現実世界と観念的世界の収束するところ、収束などせず、常に二元平行状態であり続けるか、相対的に同一である、というのであるか、考えさせられ、また同時に楽しませてもらえます。
お薦めです。
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