夢見る汗牛充棟
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2008年10月26日(日) だぶるお #29 戦う理由 その1

あばん 
過去 超人機関 子アレルヤとマリーたん

研究員「被検体E57、脳量子波シコウ(指向?)手術完了。術後の経過観察に入る」

少女の声「誰か……誰か……聞こえる? 誰か……」

子アレルヤ手術台(?)から上体を起こしきょろきょろ。声の主を探す。
頭を押さえて。
少年「頭の中に……声が響く」

少女の声「ここよ……わたしはここにいる」

声に導かれるように階段を上り通路を辿り、大きな扉の前へ。

少年「ここ……」扉が開く。

器具が並ぶ部屋、ガラスケースの中に目を見開いて横たわる少女。
少女「誰か……わたしの声を……」
少年「君が、ぼくに言っているの」
少女「! ああ、私の声が聞こえるの? どこ? 何処にいるの?」
少年「君の目の前にいるじゃないか」
少女「ごめんね。わからないの」
少年「え……」
少女「でも、お話できて嬉しいわ。ずっとひとりぼっちだったから。ここまで来てくれて有難う」
少年「君は?」
少女「マリー」
少年「マリー」
マリー「あなたは?」
少年 少し考えて「……わかんない。思い出せないんだ。ぼくが誰だったか、何故ここにいるのか。名前さえ思い出せない」
語らうアレルヤとマリーをガラス越しに(マジックミラーかね?)観察しているらしい三名の超人機関研究者がいる。
マリー「だったら、わたしが名前つけてあげる」
少年「え……」
マリー「そうねぇ……あなたの名前はアレルヤがいいわ!」
少年「アレルヤ?」
マリー「神様への感謝の言葉よ」
少年「神様への感謝……。何に感謝するの?」
マリー「きまっているじゃない。生きていることによ」
少年、はっと息を呑む。世界が色づく。

現在 プトレマイオス、自室に座っているアレルヤ。
アレルヤ(それは、文字通り……ぼくにとっての洗礼だった)

指向性脳量子波? 指向性というからには、マリーと干渉し合うようにされたんだろうか? で、マリたんの声が聞こえるかどうかを研究者は見守っていたのかな?

==OP==
Aパート 
プトレマイオス 海中潜航中

どこかの部屋。イアン・ラッセ・ミレイナ・刹那・ティエリア・マリナ
マリナ「助けていただいたこと。そして5年前、アザディスタンの内紛を止めていただいたこと、本当に有難うございました。戦いを行わずに内紛を止めた、あの行為はとても素晴らしいものだと私は考えます」
刹那「そんなことはいい。これからどうする?」
マリナ「アザディスタンに戻ります」
ラッセ「無茶だろ……」
刹那「保安局が来る」
ティエリア「あなたを口実に、連邦が介入してくる可能性がある」
マリナ「連邦に参加しなかったアザディスタンは、世界から見捨てられています。経済は破綻し、保守派の指導者であるラサー(?)が亡くなられて改革派との抗争も泥沼化の様相を呈している。でも、だからこそ私は……」悲しい目。
刹那「わかった。トレミーの進路をアザディスタンに向ける」
ティエリア「刹那」
イアン「りょーかいした。刹那」
ラッセ「ブリッジに行く」
退室する、ブリッジクルーたち。
ミレイナ、退室しかけてもう一度ひょこっと顔を出す。
「つかぬ事をきくですぅ。二人は恋人なのですか?」
マリナ「違います」刹那「違う」同時に否定。
息が合って、お似合いで面白かった。
ミレイナ「ん……」眉をしかめて「乙女の勘が外れたです」

通路にてラッセとイアン
ラッセ「スメラギさんは?」
イアン振り返る「ん……制服の袖に袖を通す気はまだないようだな」
ベッドにうつ伏せでぼんやりしているスメラギさんの絵。

ケルヴィムガンダム? 訓練用のシミュレーター?
狙撃訓練しているライルロク。予告の苦しげな表情はなんてことないここだったぜ。
訓練終了して。
ライルロク「ハロ、命中率は?」
ハロ「78パーセント 78パーセント」
ライルロク「……ん」小さく息をつく感じ。
コクピットを出て下に下りる。
ヘルメット外しながら「兄さんのようにはいかないなぁ」
ライルロク「……お」フェルトが見ているのに気がついた。
フェルト「あ……」慌てて後ろを向く。
ライルロク フェルトの背中に「よお。どうかした?」
フェルト首を振って「ううん、なんでも」
ライルロク「フェルトっていったよなぁ。君の視線よく感じるんだけどぉ、なんで?」
フェルト「……! そんなこと……」
ハロ「フェルト ロックオンスキ フェルト ロックオンスキ」
ああ、KYな円い球体が〜
フェルト「ハロ!!」
ライルロク「おれは兄さんじゃない」
頬を染めたフェルト「わかってる」自分に言い聞かせるように。「うん、……わかってる」
ライルロク、右手を伸ばしフェルトの顎を支え持って自分の方に向かせる。
「あんたがそれでもいいっていうなら付き合うけど?」
そんでもって、フェルトの唇を狙い撃っちまったぜ!
ライルロク「その気があるなら後で部屋へ……」
ライルロクが言い切る前にフェルトの平手打ちが飛びました。フェルト涙、走り去る。
ハロ「フラレタ フラレタ」
ライルロク「気づかせてやったんだ!」
それから声を潜めて「……比較されたらたまらんだろ」

ライルロクはカタロンからの工作員として内部をあるていど引っ掻き回すつもりかと思っていたので、わざと怒らせたの意外だった。フェルトをカタロンの工作員としては落としておくと何かしら便利かもしれないし、そういう意味で落としにかかったんだと思っていたら、単にニルロクと重ねて比べられるのにうんざりだった模様。比較されたらたまらんだろがかなり本音っぽい。つか、覚悟の上だと思ってた。ニルと混同されてCBが動揺すれば願ったりなのかと思ってたよ。意図して双子の兄さんの後釜に座ったんだし。内面がまださっぱりわかりませんこの人。あと双子なのにニルを兄さんと呼ぶのも微妙に距離を感じて気になります。本物のライルその人なんだろうか?

自室から出ようとするスメラギ。ドアを開けると前にワイングラスを持ったアレルヤが立っている。
スメラギ「あ……」
アレルヤ「一杯、つきあってもらえませんか?」

◇アラビア海 海上 アロウズの空母

ソファーに対面で座るアーサー・グッドマン准将(以下良男) カティ・マネキン大佐 良男の背後に銀髪男。

良男「捕虜のパイロットを奪われ、そのうえカタロンにまで遅れをとるとは、失態だなぁ? 大佐」
カティ「CBの戦力を見誤っておりました」
良男「言い訳は聞かん。無能なものはアロウズには不要だ」背後を振り返って銀髪男に。「リント少佐、次の作戦は貴官が立てろ」
リント 敬礼「かしこまりました」カティに向かって「アロウズのやり方と言うものを教えて差し上げますよ、大佐」
カティ「勉強させていただこう」
良男「もうよい。下がれ」
カティ「はっ」

カティ 退室。歩きながら(掃討作戦を得意としたアーバ・リント少佐、あの悪名高い男を連れてくるとは……)

もとの部屋
リント「保安局員の証言によると、ガンダムは収監中だったアザディスタンの王女を連れ去ったそうですね」
良男「貴官はどう見る?」
リント「ガンダムパイロットには中東出身者がいると聞いておりますが」
良男 鼻で哂う「うら若き姫君のため、白馬に乗ったナイトを気取るか……」
リント「今のCBは私情で動いていると私は推測します。仲間のパイロットを助けたのがなによりの証拠。となれば――このあたりで網を張るのが妥当でしょう」端末を操作。地図を表示しながら。
良男「了解した。トリルバイト(?)の使用を許可する」
リント「ありがとうございます。もう一つ、本作戦には彼も参加を願いたいのですが」
つかつかと歩み寄る陣羽織仮面(笑)先週出番なかった陣羽織仮面。
いつ入って来たのか。ノックはしたのか。すべてが謎だ(笑)

良男「――ミスター武士道」

爆笑させていただいた。誰がつけたんだその呼び名。
やっぱりグラハム・エーカーという男は死んだ! 的なアレですか? 
自分で「グラハムという男は死んだ! 今の私はミスターブシドーとでも呼んで貰おう!」
とか言っちゃったのか? 自分で。
だが、小悪党的リントさんとつるんでいるのはかなり意外でした


(自室? 前回の作戦の検証をしているカティさん)
カティ(わずか5分足らずの電撃作戦。艦船を海中に沈め、津波を発生、それにより部隊は混乱、また周囲の湿度を高め、粒子兵器の効力も半減させた、それにガンダム4機の連携……大胆さと繊細さを併せ持つこの戦術……どこかで)

ブザー 
艦内放送「トリルバイト発進準備、トリルバイト発進準備」

カティ「トリルバイト? 資料にあった新型か」

デッキ上、ソマたんと奴隷。新型の発進を見ていた。
ソマたん「GNドライブ搭載型のMAから開発しているとは」
奴隷「噂では、多額の寄付をした女性がいるそうですが……」(金持ちの女性つうの王留美?)
ソマたん「物好きな者がいる」

自室 ルイス。通信はいる。
通信士「第4小隊に、地上への移動命令が下りました。ハレヴィ准尉、至急ブリッジへお越し下さい」
ルイスがどの部隊に所属してるのかよくわかりません。
ルイス「了解」

◇砂漠 カタロンの基地 カタロンカラーのモビルスーツとか

放送「モビルスーツ隊、発進準備」

男「ジーン1からの情報が来た。やはり、アザディスタンに向かうらしい」
男「本当に、やるのか? クラウス」
クラウス「CBは我々の目的に必要な存在だ。それに、彼らを助ければ、マリナ姫を保護することもできる」
シーリン「クラウス」
クラウス「必ず助けてみせる。君の大切な友人を」
シーリン「ん」

シーリン目を伏せて「……マリナ……」
(回想)
マリナ「王宮から出て行くって」
シーリン「姫様、今の連邦政府の政策では、たとえ連邦に加盟できたとしてもこの国に未来は無いわ。なら私は、私のやり方でこの国の未来を作ってみせる」
マリナ「アザディスタンではあなたのやり方はできないの?」
シーリン「この国を立て直すだけではだめなのよ」
(回想終わり)
シーリン「クラウス、私も部隊に同行させて」
クラウス「それは危険だ」
シーリン「邪魔はしないわ。お願いよ、クラウス」

◇海中 プトレマイオス
艦内のどこか一室(わかりません)
マリナ「私にも何かやれることはあるはず」
扉が開き刹那が入ってくる。「ここにいたのか」
マリナ振り返る。「刹那……」
刹那「どうした」
マリナしばらく逡巡。思い切って「刹那、私と一緒に来ない? アザディスタンに。――国を立て直したいの! 争いの無い、みんなが普通に暮せる国に。あなたにも手伝って欲しい」
ちょっと驚いていた刹那、首を振る「それはできない」
マリナ「何故」
刹那「おれにできるのは、戦うことだけだ」
マリナ「悲しいこと言わないで。――刹那、争いからは何も生み出せない。失くしていくばかりよ」
マリナの言葉を聞いている刹那の表情がなんか幼い、途方に暮れた子供みたいで可愛いです。
刹那「CBに入るまではおれもそう思っていた。だが破壊の中から生み出せるものはある。世界の歪みをガンダムで断ち斬る。未来の為に。――それが、おれとガンダムの戦う理由だ」(強い目)
何も言えなくなるマリナ。



恵 |MAIL