夢見る汗牛充棟
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「行先」
どこに行こうか
ここは だだ広い荒野ではないのに
目印がみつけられない
無益な看板や極彩色の矢印
脳をかき回すネオンサインの明滅
偽りの道標に人は
くるくる回転してばかりいる
道祖神は鉄とモルタルに埋もれ
変わり果てた大地の放浪者は
勇ましく面を上げて進みゆくが
こころはどうにも変わらないままだ
未熟で荒々しいたましいを大地に放り投げ
どこなりと行けと誰かは言ったらしい
自由を求めて飛び出したのだと胸を張るが
本当はどうだか自信がないのだ
ずっと歩き続けているとは妄想なのか
ここは円環だろうか
いつも同じところに戻るのだろうか
(2002.12.12)
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