夢見る汗牛充棟
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2000年02月16日(水) 万華鏡

「万華鏡」




終らない広がりがあるようだ
無数の輝きが揺れ捩れ
いかようにも咲きながら
円のかたちに調う
水のように流れ
絶え間ない呼吸にしたがって
きらめきは模様を描いている

うつくしい不思議
筒の内側にある果てのない
深淵の先に向かって人は
手を伸ばし続けるもののようだ
その遠さに怖れを覚えながら
掴もうと足掻かずにいられない

さまざまの悪戯と
熱さと風が混じりあい
次に見せるかもしれない
淡く儚いかたちを求めて人は
しきりと器を揺さぶるのだ
しきりとふちを覗くのだ

どのように咲こうとも
どのように散ってゆこうとも
うつくしいであろうと思うのは
こころ

その円環の内に踊るのは星だからだ

それは内と外にひらけゆく宇宙だからだ









(2002.12.05)


恵 |MAIL