夢見る汗牛充棟
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「万華鏡」
終らない広がりがあるようだ 無数の輝きが揺れ捩れ いかようにも咲きながら 円のかたちに調う 水のように流れ 絶え間ない呼吸にしたがって きらめきは模様を描いている
うつくしい不思議 筒の内側にある果てのない 深淵の先に向かって人は 手を伸ばし続けるもののようだ その遠さに怖れを覚えながら 掴もうと足掻かずにいられない
さまざまの悪戯と 熱さと風が混じりあい 次に見せるかもしれない 淡く儚いかたちを求めて人は しきりと器を揺さぶるのだ しきりとふちを覗くのだ
どのように咲こうとも どのように散ってゆこうとも うつくしいであろうと思うのは こころ
その円環の内に踊るのは星だからだ
それは内と外にひらけゆく宇宙だからだ
(2002.12.05)
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