夢見る汗牛充棟
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2000年02月15日(火) 雲と風

「雲と風」






おじいさんが雲を食べている

おばあさんは立っている

斜光と枯葉が遊ぶ岸壁の舗道で

海から来る強い風を受けながら

くの字のおばあさんは車椅子の背に

手を置いている

金網をへだて丸太が転がる黒色の岸が見える

その向こうは青灰の海だ

小さい肩は重なり合って

ひとつのもののように動かない

色褪せない絵の中で

おじいさんは

だまって雲を食べている

ときおり風を吹く









(2002.12.03)



恵 |MAIL