「雲と風」 おじいさんが雲を食べているおばあさんは立っている斜光と枯葉が遊ぶ岸壁の舗道で海から来る強い風を受けながらくの字のおばあさんは車椅子の背に手を置いている金網をへだて丸太が転がる黒色の岸が見えるその向こうは青灰の海だ小さい肩は重なり合ってひとつのもののように動かない色褪せない絵の中でおじいさんはだまって雲を食べているときおり風を吹く(2002.12.03)