夢見る汗牛充棟
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「わたしの中」
何処まで歩いても
わたしはわたしの中に居る
硬質の外殻はあつらえたように馴染み
かけ続けた眼鏡と同じようで
違和感がない
家を出て仕事をしても
街に買い物に出ても
猫のからだを抱きしめても
ひとと舌を絡めていても
わたしはわたしの中に居る
∞を覗くためのフィルターの果ては
常に無造作にそこにあり
かたちのない群れを整理整頓して
あつらえた世界で
ラジオの放送帯を選ぶつまみを絞って
ひとの言葉を聞いている
継ぎ目のないわたしの中で
(2002.11.19)
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