夢見る汗牛充棟
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2000年02月08日(火) わたしの中

「わたしの中」






何処まで歩いても

わたしはわたしの中に居る

硬質の外殻はあつらえたように馴染み

かけ続けた眼鏡と同じようで

違和感がない

家を出て仕事をしても

街に買い物に出ても

猫のからだを抱きしめても

ひとと舌を絡めていても

わたしはわたしの中に居る

∞を覗くためのフィルターの果ては

常に無造作にそこにあり

かたちのない群れを整理整頓して

あつらえた世界で

ラジオの放送帯を選ぶつまみを絞って

ひとの言葉を聞いている

継ぎ目のないわたしの中で







(2002.11.19)


恵 |MAIL