夢見る汗牛充棟
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2000年02月09日(水) 午後


「午後」






用事を思い出し

歩いて出かけていった

道の端には白い花が項垂れていた

弱弱しく背を丸めて

時を間違えたと呟いていた

隣には木が在った

艶やかな紅い実を震わせ

彼女は胸を反らしていた

草叢には濃灰の猫が沈んでいた

猫は腹の下に時間をやっつけ

目を光らせて雲を佩いた空を見ていた

風のない午後のことだ







(2002.11.19)


恵 |MAIL