夢見る汗牛充棟
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2000年01月23日(日) 透明

「透明」


高い昼間の空がリンと鳴ります

風の子供が戯れに 硝子の鈴ひとつ

天の高みに置いたのです

(風の子供が手にとりて)

ふるりふられた 鈴の音清ら

切ない青透明のかなたへ届けと

祈りにも似たその音は

ひたすらに飛翔を続けるので

追いかけるこころもいつしか

ほんのり寂しいいろに染まるのです



澄んだ夜空がシャラと鳴ります

天の楽師が帽子に受けた銀のお金が

縁からあふれてこぼれたのです

(天の楽師はいいました)

あれらは星になりたかったのだね

星になりたい銀のお金は

無限に見える闇藍色の果てまでも

懸命に転がり昇るので

捕らえようと伸ばした手はいつしか

ほんのり哀しいいろに染まるのです


恵 |MAIL