夢見る汗牛充棟
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2000年01月13日(木) 砂粒

「砂粒」


何気なく空を見た

嗅いでみた空は 仄かな匂いがした

過去にも未来にも眺めた空だ

青が眼球をまさぐる

振り返った懐かしさも はるか先の不安も

容易く暴き立てる音楽のようだ


空には白い雲がはいていた

刷毛で一筋こすったようで

かすれた線の向こう側にも青い空は

続いていた

その広がりを思ったら嬉しい気がした

けれどそこに行き着けないことを

思い出して 直に哀しくなった


ちっぽけな魂のひとつなぞ きっと

輝きもしない砂粒なのに

砂粒のこころはなんでか痛い

しくしく痛むから べそをかいた

最近は 涙腺の蝶番が壊れたのか

やたらと泣きたがりな 私がいる


恵 |MAIL