夢見る汗牛充棟
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[70] いわいことば 2003/11/18(火) 21:27:24
大丈夫?元気出してと 伝えるのは難しくて 頑張れというのは 尖ってちくちく痛いから この小箱のなかに いわいの祝詞があればいいのに なんだかずっと探しているのに
カモマイル ラベンダー 温いミルクにブランデーの滴 赤ワインにひとすくいの蜂蜜 背中を撫ぜる優しい手や 耳に伝わる内緒の吐息は 言葉よりよほどやさしい魔法で
それでもなお たとい月ほど遠くとも ひと飛び届けばとびきり幸せ そんな祝詞があればいいのに
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星をいただくこと 2003/11/22(土) 17:48:08
苦しみながら言葉を削る 詩人さんは くらい空に果てしなく星を 生んでいます あらゆる星の火のようです
その飛散する火花によって わたしの洞も刻々灯り 色とりどりの空にかわります
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[71] 夜明けに徒然 2003/11/22(土) 17:15:52
あそびせんとやうまれけむ たわぶれせんとやうまれけむ あそぶこどものこえきけば わがみさえこそゆるがるれ ほとけはつねにいませども うつつならぬぞあはれなる ひとのおとせぬあかつきに ほのかにゆめにみえたまふ
聞きおぼえた好きなうた かつてのあまたのひとの かなしみより来るいとしさを 今日もしり明日もしれども 塚山まろくちとせに増せども 幾多の骨埋むくに立ち なお毅然として首をあげ 今もしきりとうたうひと 今もしきりとうたうわれ ふりしぼる力の源流は 決して枯れることはない
夜明けにつれづれ 2003/11/22(土) 17:18:45
浮き上がる瞼の裏側に 僅かにかあはれとどめる 明けのひととき
ひとのさすらいうしなう ことわりかなしも闇のうち 漸く訪れた微笑みやら 仄かな夢のいろもはや 暁ほどに鮮やかでなし
うつつのほのほに炙られつつも 好んで歩むがわれならば ほとけはあとにあればよいかも ふと立ち止まる宵のほどには まぶたに触れるほどの遠さで
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今がいちばんいい 2003/11/26(水) 22:54:40
雨の次の日には そらにとろけそうな あおい円錐を 白がせっせと浮かべる ようやく冬になるのかな 銀杏の葉もすこしだけ 明るくなったみたいだし 海っぱたの道はますます 風を強めていくかな どんな冬でも走っていくのは おんなじだけど またしばしのおつきあい ■
明日は晴れらしい 2003/12/01(月) 20:38:58
12月の男のお披露目は 夕方5時のまっくろ外套 街路樹に瞬く人造の星 道路に溢れる流星の群 眩しいから眩しいから ほんものが見たいのにな
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[74] かえりみち 2003/12/04(木) 23:15:31
くらいみち くらいまち 電燈のひかり溜まる砂利の道 かげがわたしをくるくる廻る 静かな夜のかえりみち どこからただよういいにおい レースの向うにうれしい明り たったひとつのおうちを目指し わたしとかげがくるくる廻る まだまだ遠いかえりみち
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