★悠悠自適な日記☆
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私の母とは、たまに会って、一緒にランチをして別れるくらいの関係がいい。
これが、20年かけてやっと見つけた私と母の関係を示すひとつの答えだ。
養ってもらっておきながらなんて親不孝者なんだ!と言われてしまうかもしれない。母とずっと笑って一緒に過ごせないという罪悪感にずっと悩まされてきたけれど、最近になってやっと、それでもいいんだと受け入れることができるようになった。
人には、一緒に過ごすのに心地の良い距離感というものがある。それは家族だからとか恋人だからとか友人だからとか、そんな肩書きは関係なく、個人個人が持っているものによって違う。一緒に過ごすのに心地の良い距離は、人によって違う。
たまたま、私と母との心地の良い距離感はこうだったというだけのこと。
昔あったことを今になっても恨んでいる訳でもなく、嫌いな訳でも、養ってもらっていることに感謝していないわけでもない。母は偉大だ、そう思う。
でも、私と母と、そして父と弟と、私の家族を取り巻くこれまでの過程が、確実にこういう結果をもたらしたことには違いない。家族のそれぞれが生み出した私たちの距離感、近くにいると崩壊するから自分を守るために出来上がった距離感。こうやって出来上がった私と母のある一定の距離感。
誰かが可愛そうと言うかもしれない。近くにいることに喜びを感じることができないなんてと非難するかもしれない。でも私は幸せだ。今の距離が、幸せ。一緒にい続けるとろくなことにならないから。ずかずかと踏み込まざるを得なかったあの頃より、今の、ちょっと距離をとった母と過ごす方が私は幸せ。
リビングから、母が教えているピアノの音が聴こえる。 以前よりも鮮明に聴こえるピアノの音。
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