★悠悠自適な日記☆
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2005年04月20日(水) その時、私は猫になった。

 先日、車と衝突しました。

 その時間の電車に乗らないとバイトに遅刻してしまう!と思って慌てて自転車を漕いでいました。駐輪場近くの交差点で、いつもは左右確認するところを「いいや!」と思って飛び出したら、見事に車がやってきて、そのままぶつかりました。

 「あ、死ぬかも…。」と思いました。

 幸い、車にぶつかったのは自転車だけで、その自転車が転倒する際も上手い具合に飛び降りることができたので、私は車にも地面にも打ちつけられることはありませんでした。

 しかし、あとコンマ数秒早く飛び出していたら、私は確実に死んでいました。

 今日、その交差点で、猫の死体が転がっていました。車にはねられたようでした。それを見た時、昨日の私と重なった気がしました。

 ところが、帰る頃には、その猫はもう処分されていなくなっていました。

 そこは、もう、何もなかったことになっていました。

 もし昨日、コンマ数秒早く飛び出していたら、私はこの猫と同じように、何もなかったことにされていたのだろう。

 私は確かにそこに存在して、そこにいたのに、何もなかったことになって、私という存在は、私という存在は、道端に転がる猫のように、忘れ去られてしまうのだろう。

 その時、私は猫になった気がしました。

 せめて私は、私だけは、この猫を忘れないでおこう…。そう思い、今日の日記に残すことにしました。

 舞踊創作法の授業で猫の身体デッサンをしたその日に。

 

 


嶋子 |MAILHomePage

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