★悠悠自適な日記☆
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2005年03月09日(水) |
第一の問い「なぜ僕らはここにいるのか」 |
先日、友達のお父さんが亡くなりました。
高校時代に演劇を通じて仲良くなり、浪人中はずっと仲良くしていた友達のお父さんです。脳卒中でした。去年の12月に倒れてリハビリを続けていたそうですが、内出血が止まらずそのままお亡くなりになりました。
私も遊びに行った時1回だけお会いしたことがあり、Tシャツ姿で犬の散歩をしていたのが印象的でした。私は穏やかな印象を受けましたが実際は厳格なお父さんで、そのことで恋愛について悩んでいるとよく相談を受けたものです。 彼女にとって絶対的な存在だった父親が、突然いなくなりました。
彼女の身の回りが一転することはもちろん、その話を聞かされた私にも世界の流れがふと変わったような、せき止められたような、息苦しいよどみのようなものが感じられます。
私達のご両親の世代はまだまだ若い。死を意識する年代ではありません。私も両親が今日明日死ぬだなんてなんて考えもしません。しかし、私達が思ってる以上に死というものは確実に、近づいてきているのかもしれません。
変わらず元気に見えていた私の母が先日、椎間板ヘルニアで倒れました。周に一度、病院でリハビリを受けています。思うように動けないで落ち込んでいる母は、凄く小さく感じます。
また、母はよく頭痛を起こして寝込みます。立ちくらみを起こします。検査はしましたが更年期障害だと言われます。あちこちに小さな異常が出て、あちこちの薬を飲むのに大忙しです。
母に、確実な老いを感じます。
私達はだんだんと大人になっていきます。世界が広がっていくと同時に、狭まっていくものがあります。 それは、親族の死だったり、両親の老いだったり、自分が以前より体が動かなくなっていることだったり、徹夜が次の日にこたえるようになっていることだったり…。
自分、身の回り共に、以前とは少し違う、よどみのようなものを感じます。よどみを感じる世界の流れ。そのことに戸惑いを隠せません。
明日から劇想 空飛ぶ猫の公演の仕込み、明後日から本番です。
物語は、ある工場で働いている6人の男と女の物語。 自給750円でせっせと働いて、働いて、働いて。 毎週木曜日にだけ売りに出される行列のできるピロシキだけを楽しみにして。 でも、その会社は2年前にとっくに潰れていて。 そこには、今、何もない。 私達はそのことに気付かずに働き続ける。 死んだ人のことは忘れていないが、思い出すことすらしない。 世の中には、どうしようもない流れというものがあって、 大切なことは、雑事にまぎれて見えなくなる。 泥の滝のように、音を立てて流れていく。
ズーガラガラピー。
真実は何なのか。 それを見つけるために、私達は空を見上げる。 空には青い猫が跳んでいる…。
現実の中でも、芝居の中でも、生と死と向き合います。 嫌というほど。 私が今生きているということは、これからを生きていくということは何なのか。 死んだ人の上に生きているのか、生かされているのか。
こんなことを精一杯考えながら演技しようと思います。 いや、あんまり演技しない。 考えると欝になりそうなことを、そのまま本番で出せたらなと思います。 私の迷いや戸惑いを、そのまま舞台に乗せます。 答えを探しません。きっと見つからないから。
劇想空飛ぶ猫、3月11日より、天王寺ロクソドンタ ブラックで封切です。是非ご覧アレ!!
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