★悠悠自適な日記☆
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2005年03月14日(月) 白い日

 私の携帯には「くーまん」という機能がついていて、携帯を開くと待ちうけ画面にいるくまが私に話しかけてくる。

「なんで白い日って言うんでふかね?」

 3月になったのに今日も雪が降った。冷たい空気に向かって、私は白いため息をついていた。ずっと、ずっと、自分でも信じられないくらいの気を落として、私はため息ばかりついた。

 テレビをつけるとホワイトデー特集などで賑わっている。街はそうなっているらしい。最近はチョコレートをお返しでプレゼントするのが流行だとか。チョコレートのお返しにチョコレートっていいんですか?なんてぼんやり思ったりする。

 私が望んでいるのはチョコレートじゃない。ヴィトンのバッグでもない。そもそも物じゃない。私が本当に欲しいと思っていたのは、時間の共有。ただ、同じ時を、一緒に、過ごしたくて。長い間一緒にいられなかったから、その時間を私はたまらなく欲していて、愛しいと思っていて。

 お話がしたかった。話を、言葉を、声を。本当にそれだけで、それ以上のことは望んでいなくて。でも、その願いすら叶わなくて絶望的な気持ちになる。遠くに感じる。見えない。きっとそれはお互いにそう思っていて。離れて過ごした時間は大きな氷の壁を作っていった。今日はあたたかい息でそれを溶かしていくつもりだったのに。

 愛することは、見返りを求めないことだと誰かが言っていた。しかし、話をすることですら私は望むことを許されないのか。

 洗濯した ご飯作った 食器洗った トイレ掃除した 掃除機かけた 洗面台磨いた

 「のに…」

 食器洗わなきゃ ゴミ捨てなきゃ 冷蔵庫の中を整理しなきゃ。

 強迫観念。
 私は見返りを求めている…。

 氷の壁に、私は冷たい白い息を吹きかける。私は私に絶望して、白くて冷たいため息をつく。

 気を紛らわせようと友達と話をする。誘われていた映画を観に行く約束をする。先輩と長話をする。先輩とご飯を食べる。バイトを思いっきり入れてみる。店長に歓迎される。店長と話をする。

 だけど私の白い息は止まらない。

 はぁ。
 はぁ…。
 はー。 

 ざーーーーー。

 今日は白い日。ホワイトデー。

 


嶋子 |MAILHomePage

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