Leonna's Anahori Journal
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きのう。 夕方からいとこの結婚式で都内の式場へ出かける。 新郎は母方の叔父の三男坊。母は八人兄弟の長女だったので、まだこれから結婚といういとこが何人かいる。これまでこういう席にはあまり積極的に出かけて行かなかったのだが、両親がいなくなって自分にお鉢がまわって来たと感じたからか、魔が差したとでもいうのか(おめでたい席にこの言葉は失礼か)、たまには若い人の幸せそうな顔でも拝むか、と、出席のハガキを出していたのだった。
控え室に入ると、否、長い廊下を通って控え室へ入るまでの間にも「おおー、チマちゃん!よく来たね!」と何人もの身内から言われる。まさか私が現れるとは思っていなかったのか、皆一様に驚いているのだが、意外にあったかい感じ。叔父叔母もチマちゃんチマちゃんと寄ってきては「元気?」とか「仕事どう」とか話しかけてくれる。うれしいのだけれど、こういうのに慣れていないのでどうしていいのかわからない。控え室にずらりと揃った親類縁者のうしろの壁に目を泳がせる。
それにしても八人兄弟、なのである。叔父叔母のほかにもその娘息子(つまりいとこ)、そしてまたその連れ合いと子供。それらがみんなよそ行きを着てぞろぞろと集まってきている。で、誰がだれだかわからない、かと思うとそうでもない。子供の顔をみれば誰が親だかすぐにわかる。男親と女親、両方の風貌の絶妙なるミクスチャー。遺伝子というのは笑っちゃうくらい正直だな、と変な感心をした。
チャペルでの挙式のあと中庭で食前酒を飲みながら歓談、新郎新婦を囲んでの記念撮影大会。シャンパンがやたらと旨い。披露宴では子供の頃よく一緒に遊んだ従姉妹(二児の母で、美しい長女を伴っている)と、年齢の近い叔母(チマと仲のよい叔父貴のお嫁さん)と一緒のテーブルで、ひそひそと「女同士のはなし」をする。
私が、あろうことか、この頃コレステロール値が高いのだと話すと、従姉妹が「私の友だちにも痩せ型なのに数値の高い人がいて、でも、お医者様には病気ではなくて体質だから大丈夫って言われたんだって」と言う。叔母も「女性は時期的にそういうの出ることあるのよ。あまり気にし過ぎない方がいいんじゃない」。そうよねそうよね、と言いながら前菜の皿にひらりと置かれた一片の生フォワグラを食す。不敵で、ちょうど良い加減にいいかげんで、深刻ぶらなくて、こういうとき、中年ていいなぁとつくづく思うのだ。 この次またいつ会えるかわからない親類縁者と別れて帰る電車の中で、まだこれから結婚する可能性のあるいとこは誰かと考えた。たまに(本当に何年かに一度のたまーに)なら、こういうパーティもいいな。ひそひそ話しながら美味しいものを食べて、着飾った若い人たちを眺めるのも、と、それこそ魔が差したとしか思えないようなことを考えていた。
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